イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
アフィリエイトOK
発行者:桜乃花
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
宮殿の正門を護るのは、近衛隊の兵士で、歩兵隊のケイの人となりを知る者ではない。


「非常時である。取次ぎは私がしよう。話を聞こうか」


「小隊長の教えがございます。シス様意外の方にお話は出来ません」


「なんだと!町の門番とは違う。宮殿の門番は、お前を自由に出きるのだぞ?今宮殿の中には、顔の知れた使用人と、シス様の弟子しか入れないことになっている。それを知った上で入れろと言うのか?」


何となく、話の分かりそうな男だと思った。


「ならば、私の幼なじみを呼んでくれないか?シス様の弟子だし、近衛隊だから、中にいるはずだ」


「ほう。お前の為に、シス様の護衛を放り出して、ここまで出て来いと言うわけだな?」



「そうだ。私は、平民の出身だ。親父がルジ家の馬番だった。ルジ家の三男イーデ様を呼んで欲しい」



「ほう。まさかお前イーデ様の幼なじみだとでも?」


「親父は、イーデ様とは仲が良かった。俺はいつも親父の後ろをくっ付いて回っていたんだ。年も近いし、俺は将来使用人になるから、ルジ家の事を学ぶ事を許されていた。ルジ家の歴史は、イーデ様と二人で学んだんだ。事故が起き、親父はクビになったけど、イーデ様は、お前とは友達だと言ってくれた」


「もし、イーデ様がお前は友達ではないといったら、どうしてくれるか?」


「腕なり、首なり、望みのものを捧げよう」


「…」



門番は、わざとらしく薄笑いを顔に貼り付けながら、部下に何か言った。


俺は、別に心配はしていなかったが、一応、彼が出て来られなかった時の言い訳を用意した。



「縛らせて貰うぞ」


俺は頷いた。











「シス様。イーデ様はこちらに?」


扉の外に声がした。


「何事だ。よほどの事でなければ門の外で処理するように、言って有るはずだぞ」


「はい、申し訳ございません。しかし、正門に、イーデ様の友達だと言う者が来ております。シス様に進言があるそうですがどう致しましょうか」


「そいつは誰だ?」



「はい、第三歩兵小隊のケイ・シグと言うものです」


「進言の内容は、聞いて来たか?」


「いいえ、本人にしか言えないと言っております」


「ケイは確かに友達だ。しかし、今は非常時…」

226
最初 前へ 223224225226227228229 次へ 最後
ページへ 
TOP