イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
シス様への伝令が無事に届いて、警備が厚くなれば、いくら相手が毒遣いでも、やすやすとは近づけまい。


宮殿の中にいるとわかった以上、捕まえたも同然だ。


これで、長引くこともなく家に帰れる。


仕事には、意義を感じているけれど、正直なところ、どんなに頑張ったところで、小隊長までたどり着けるかどうか、それが軍事大国の現実だ。



ならば、命がけの戦に賭けるより、平和を守るのみ。


誰かを蹴散らして、出世しようと思う若者は、今は少ない。









「おい、大隊長は無事か?」


エン中隊長だった。



「はい、みな眠らされただけのようです。息も脈もしっかりしています」


「そうか、レンカがまだ見つからないのが心配だ。何か手がかりはないか?」


「そう言えば、入り口の取っ手に毒が仕掛けてあったのです。ドレ中隊長は、その毒でやられたのでは?大隊長も、ご存命な事を考えると、殺されたとは考えにくい。やはり別の場所に監禁されているのでは」


「そうだな、兵士を殺す気はないようだ。敵はヨナ・サンらしいと言ったのはお前か?」



「はい、彼がいつもさせている植物の香りが、わずかですが残っていました。ランプの火で、宮殿ごと焼き払う心づもりだったようです。火事だと騒げば、動くのではと思い、槇を用意しました」


「そうか、お前は、世話係を勤めた事があったな」


「はい、子供の頃ですが。まさかこんな事になるなんて」


「貴族に生まれた者には、平民にはない苦労が有るもの。それをどうするかは、本人次第だがね」






兵士はエン中隊長の指揮のもと、槇に火を付けた。


火は、湿った煙と共に燃え上がった。











そろそろ、僕の捕虜たちが見つかる頃かなぁ?


そして、数日したら、ニム川で、僕の亡骸が見つかる。


僕のそっくりさんが、こんなに早く亡くなるとは思ってなくて、正直焦ったよ。



でも、僕の変装を見抜ける者はいない。


そうだと、思い込ませてあるんだから。


孤高の王子を殺すのは、僕が死んだって噂が流れてからで十分だ。


せいぜい騒ぐがいい、戦いを忘れた羊のむれよ。



「おい飯炊き。早く出せ。すぐに外の者と交代だ」

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