イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
レンカは身動き出来なかった。



しかし少し時間が経つと、縛られているのは、手首と膝だけだとわかる。

ずいぶん、ぞんざいな捕らえ方だ。


しかも、ダメージは、ほとんどない。





ここはどこなんだろうか?


高い位置から月明かりが入っている。



東の宮殿においては、北の物見か。



サビはどうなったろう?

上官の自分に命があるのだから、たぶん無事でいる。


口に、木の玉がはまっていた。


時間が経てば、喉が腫れ上がり、窒息するか。


レンカは、体を起こし、木の玉を、石の壁に打ちつけ、音を出してみた。


サビがいれば、答えるはず。



レンカは、音のする方向へ転がるように近づいた。



月が塔の真上に来ると、転がっているのがサビだと分かった。


ここに二人とも、縛っただけで置かれている所をみると、出口はないか、隠されている。


或いは、外からしか入れない仕掛けか。


しかしそれは、大隊長以上なら知っている情報だ。


その上、殺す間も惜しい程急いでいる。


キキ様を狙うには、明らかに不自然だ。




キキ様を狙うと見せ、わざとシス様の弟子であるレブを傷つけ、この宮殿で手当てするように仕向けたとしたら。


急がなくては。



誰か私達を探してくれないか、レンカは塔の上の月を仰いだ。



サビも、さしたる怪我はない。


レンカは、サビの猿ぐつわをなんとか外しにかかった。


皮はまだ濡れている。



声が出せたなら、見回りの兵士に届く可能性がある。



湧いてくる唾液で、息が苦しい。


早くしないと、自分達の命も危なくなる。


レンカは、痺れた指に力を込める。


爪が傷つき、血が流れるのが分かった。


しかし、そのせいか、皮紐は、解け始めた。











「小隊長、なんとなく敵の正体が分かりました。私は、あんまり毒が効かなくて、眠るまで時間がかかったんです。敵が私を担いだ時、花の香りがした。嗅いだことのある香りです。サン家の、花の毒遣い。相手は多分ヨナ・サンです」


一対一なら、恐らく俺でも相打ちくらいが関の山だ。


考えながら、今度は手首の結び目を探した。
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