イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「のんびりなんかしてないさ。一緒に食べようと思って、弁当を作ってもらってたんだ。今日は一日、いるだろ」

「あぁ、君の顔を見たら落ち着いた。なんだか緊張してたんだ。だから家にいられなかった。要するに、俺は小さいってことさ」

「いつになく、謙虚じゃないか、自信家のキサはどこへ行ったんだ」

「そんなものあったかな。運命の日が近づくに連れて消え失せた。君も同じだろ?」

返事は必要なかった。

俺達は、競技会の前みたいに震えていた。

怖いのとは違って、楽しみでたまらないのだ。

久しぶりに打ち合える。

俺はキサにはかなわないが、たやすく負けやしない。

俺だって、稽古を積んできたんだ。

そんな気持ちが、自然にわいてくる。


「キサ、今日こそ負けないぞ。一太刀いれるまで止めないからな」

キサは、嬉しそうに笑った。

「それじゃあ、明日になっても終わらないな。俺が一太刀入れたら、弁当にしよう」

いつもながら、なんて憎たらしい奴なんだろう。

「キサ、簡単には終わらせないさ、俺だって頑張って来たんだ」



家の中でうじうじしていたのが、馬鹿らしく思える。

俺達は、互いに少し離れたところで剣を抜いた。

大剣とは、太いと言うよりは、長い刀を言う。

見た目よりも軽いし、長い割に小回りが利く。

通常は、もう一本刺剣を携える。

キサに勝つには作戦が肝心だ。

俺は、速さを生かし、後ろを取る作戦をとる。

体格で上回るキサに勝つには、頭を使わなくちゃ。

俺とキサは、同じタイミングで剣をふりはじめた。

本当は、振り回し、投げ技で相手をなぎ倒す。

それが大剣だ。

鎖帷子と鎧を着用する大会と違い、稽古で使う刀には刃がついていない。

その上、刺剣も使わない。

軽い刀、投げ技もなし。

キサに勝てるとしたら、今日しかないくらい、俺に有利だ。

剣を振りながら、汗を流す。

なんだか幸せだ。

第一隊長の言葉を思い出した。

旅の道すがら、君達の強さを諸国に示すのだ。

訓練の時いつも言ってたな。

人に刃を向けたくなかったら、強くなれ。

親父も、そんな事を言うときがある。

深く考えずに剣を振るって来たが、この剣を人に向けるとしたら。

俺の心臓は、ドキリとした。

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