イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「シスを呼べ。すぐに解毒に長けた者を探させろ。それから、我が兄弟達も」


「陛下。シス様は、眠っています。どうしても助けたくて、私が眠らせました。妃殿下のお注ぎにになったニサ酒に」


「そうか。二人とも必ずたすける。戦いは中止だ。成果のあった者には、褒美を遣わす。皆でかかれ」


王の言葉に、兵士達は、素早く反応した。


サン家の血を引く者は多いが、王族席から遠く、しかも、継承権を放棄している者は、解決までの謹慎を言い渡され、そのまま帰された。


ミナさんと、ヤード氏もその中に入る。


その後多くは、属国であるアルカザンで見つかったが、女性や子供が多い。


従って、首謀者は、まだラスカニアにいることになる。


彼らは諦めてはいないのだ。


傷を負った俺達は、東の宮殿、つまり、アダン家に運ばれた。


牛の乳を搾る吸い出しで、レブの傷から血が吸い出され、一時的に、毒の広がりは、抑えられた。

しかし、俺の負った傷は思うより深く、腕の内側に向かって、毒が広がりはじめた。


そして、すでに右手は痺れ始め、皮膚に触れても、感覚がはっきりしなかった。




「これは植物毒だから、解熱剤も植物である可能性があるんです。とりあえず、いろいろ試してみましょう。お茶でも、時間稼ぎが出来るかもしれません」


「当てずっぽうでも、見つからないとも限らない。いろいろやって見よう」


俺達は、いくつもの薬草をお茶にしてもらい、試してみた。

しかし、毒は、少しずつ広がる。


夜が明け、シスが戻ったころには、俺達は、寝台から起き上がれなくなっていた。






「酷いわ、リヤド。二人に会わせてよ」


「いけません。まだ狙われているかも知れません。族がうろついている可能性があるんです」


「リリア。目鼻がついたら会わせてやる。それまでは、リヤドと一緒にいるんだ」


「お兄様。こんな事酷いわ。二人とも、毒に苦しんでいるのよ。せめて看病させて」


「サンの中にも味方はある。解毒は出来るはずだ。彼らの願いはお前が無事でいることだ。今は大人しくしていろ」



厩に潜む影に、シスは気づいてはいなかったが、王の遣わした兵士達に、堅く守られていた。


サン家の者のうち、多くは、この状況に驚いた。

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