イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
アフィリエイトOK
発行者:桜乃花
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
何かが起きようとしていた。


狙われたのは、おそらくキキ様と思われた。


俺の心臓は、狂ったように打ちはじめた。


黒い陰が、キキ様の近くで動き、崩れるように、レブの体が倒れた。


起き上がったレブの胸のあたりに、細い短剣が刺さっているように見えたが、鎖に阻まれ、浮いていた。


暗殺者が、投げた短剣をレブが身をもって止めたのだ。








「カザルス国王陛下、どうか、これを。たった今キキ様をめがけ投げられたもの。まだ毒がついているはずです。私はサンの者。我が師シス・アダンを暗殺せよとの命を受けていました。どうか、サン家にご用心を、この剣がすべての策略の証拠です」


「レブ・ドーン。その紋章は、確かにサン家のものね。でも、もっと詳しく聞かなくては」



「国王陛下、妃殿下、どうか私の命を持って、サン家の策略をお知り下さい。この剣には、毒が仕込んであるはず」



「何をする。誰かレブを止めろ」


カザルス王が叫ぶ。


俺はとっさに短剣を奪おうとしたが、レブがこちらを向いたせいで、刃を掴んでしまった。




「何をする。この短剣には毒が…君までそんな」


「そんなに深い傷じゃないよ。手首を縛って、毒を絞り出す。そうすれば、大丈夫さ」



「大丈夫なものか…これを見ろ」



レブは、鎧の鎖を持ち上げ、左の胸の傷を俺に見せた。


白い皮膚が紫色に変わり、しかも、見る間にも、毒が広がるのが分かった。


「サンの毒に間違いない。いつからだ、レブよ。私はいつから、兄弟に裏切られていたのだ?」


レブは答えなかった。


王妃様を傷つけたくなかったから。



「すぐにサン家の者を捕らえ解毒させる。二人とも死なせはしない」



あたりには、すでにサン家の者の気配はなかった。


王族席にいたサン家の当主もついに休憩から帰って来なかった。









よくも邪魔をしてくれたね!


許さないからね!

必ず殺してあげる。


父さんが追放されようと、叔父さんが処刑されようと、もう関係ないんだから。


本当の暗殺剣を見せてあげるよ。


いつの間にか、姿を消した黒い影。


何も知らない観客の間をかいくぐり、すでに、アダン家の厩に身を隠していた。

207
最初 前へ 204205206207208209210 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ