イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
正しい道はいつも、厳しくて辛いものだ。


それでも、それが成った時は、かえって揺るぎない物になる。


そうなるまで、頑張れるのかが鍵だ。


まずは、キキ様に強固な守りをつける。


そして、レブと話をする、敵に悟られないように。


レブは一番狙われ、疑いがかかる立場である。


しかし、私がうまくやれば、強力な切り札となる。


対戦の時が、唯一のチャンス。


レブは、私を殺せと命を受けているに違いない。






「今年の晩餐会は、アダン家の主催です。ゾルジ、あなたも出席なさい。そして、リリアとも、レブとも良くお話なさい。心置きなくね」


「ありがとうございます。競技会では勝ち抜けなかった。ですから、今年は、花嫁を連れて帰るのはあきらめます。でも、気持ちを伝える事は出来る。それは、ちゃんとするべきだと思います」


「どんな事でも、ライバルがいると言うのは、幸運なことなの。三人で楽しい話をね」


「ありがとうございます。私もそう思います。レブがいなければ、リリア姫への気持ちも、自覚出来なかった。競技会で頑張れたのも、彼のおかげです」


「ゾルジ、では、次は晩餐会でね。そろそろ戻りましょうか。今度は大剣の優勝者が決まるわね」






刺剣の試合が待ち遠しい。

今日でお別れだ、お優しいお兄様。


そして、貧国から来たお姫様。


カザルスだけは、殺したら怒られそうだからな…


「王妃キキ様。お話は尽きないでしょう?ゾルジをおそばにつけましょう。刺剣ではないが、自分の武器も持っているようだし、臨時の近衛です」


「あなたの父君を思い出すわ。その柔らかい対処の仕方。私の一番大切な家臣だった。今度はあなたがそうなってくれるのね」


「父のようになりたい。そう願います。きっと喜んでくださる。いつもそう思っています」


「ゾルジ、私の手をとって、ソナの後に続いて。今のイルバシットの話を聞かせて」


いきなり、キキ様の話し相手を命じられて、俺はかたくなった。


もっとかっこ良く決めたいけど、まだ子供なんだ。


リリアの方をチラッと見ると、シスの話を聞いて驚くリリアの顔が見えた。


俺と目が合うと、すぐにこりとしたけど、その微笑みがかえって不自然だ。
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