イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「ゾルジ、花嫁候補はもう見つけたんじゃないの?あなたの目にはそう書いてあるわよ」



「いいえ!剣の稽古ばかりしていましたから」


「どんな方々と過ごしていたの?」


「宿の女将さんや、両替所の人、イルバシット人のザイルさん、稽古に付き合ってもらったヤード氏。シス王子の弟子のレブさん。道を教えてくれた人達。そんなものです」


俺は敢えて、入国した日、リリアに救われた事は言わなかった。


王族としてのリリアに、迷惑が掛かってはいけないと思ったからだ。



「嘘をつかなくていいわ。アダン家の姫とお話をしたのでは?」


どうしてばれたのか分からない、しかし隠しきれないほど、俺は慌てた。



その時、リリアの視線を感じた。


昨日怒り出した時の、悲しげな視線。



「あのリリア姫には、ルイカの街で確かに助けて頂きました。でもあの、」


キキ様がシスを見ると、シスは跪いて話し始めた。


「王妃キキ様。妹は、仮にもクス家の姫。簡単に渡すわけにはいきません。ですから私に勝ち、弟子に勝ったら、話をさせてやると申しました」



「意地悪で、賢いお兄さんだこと。可愛いいリリア。あなたの気持ちはどうなの?王妃様がお幸せなら、ラスカニアの平和はきっと守られます。嫁いで二年が過ぎた私にあなたは言ってくれたわね。あなたの言葉は優しかった。どれほど助けられたか。今度は私の番。あなたの素直な気持ちを聞かせて」


リリアの顔から、俺は目を離せなかった。


そして昨日、リリアの怒り出したわけを考えていた。


「私は、彼の叫びを聞いたんです。とても悲しそうで、でもなんだか力強かった。助けを求める彼の声を聞いた時、この人なら、兄の助けになる。この国を救ってくれる。そう思ったんです」



「そうなの。彼はなんて?」


「協力してくれると言ってくれました」


「リリア、あなたの望みは叶えられたわけだわ。なのにどうして、そんな寂しそうな顔をしているの?」


リリアは答えなかった。

まさか?


そんなわけない。


でも、リリアが怒りだしたのは、かわりに一生を共にというのを断ったからだ。



「リリア、一番の望みは?」


「王妃キキ様。よく分からないんです」

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