イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
アフィリエイトOK
発行者:桜乃花
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
奥の若者の的は、二段階遠く、かなり小い。

手前の若者の的は、次が一番小さく、一番遠い。


どちらが有利か、弓の苦手な自分にはよく分からない。


「ソナさん、どちらが有利かな?」


「的の並びは、自分で選べるんです。だから、駆け引きのうまい方が、勝ちに近いと言えます」


「弓は苦手ですか?遠くにあって、小さいから難しい訳ではないし、近くて、大きな的が簡単というものでもありません。大きな的の真ん中は、かなり難しいものですよ。私は、手前の兵士の勝ちだと思います。一番遠い的の真ん中に六本集める事で、相手に圧力をかける事が出来るじゃありませんか。奥の兵士は、自信の無いのを露呈してしまっている」


「心理戦か!俺はさっきそれでやられた。甘くて、嫌になるよ」


「あくまで鍛錬の一部。戦じゃないんですから。これから、楽しみましょう」



「ソナさん。君の友達は出てないの?応援しよう」


「仕事柄、競技会に出る兵士と一緒には稽古をしないものですから。唯一大剣で残ってる歩兵長は、姉の夫です。そのかわり、王宮の中にはたくさん友達がいますよ」


「稽古も一般の兵士とは別の場所でやるんだね。大剣で出ている歩兵長って、もしかして、ヤードさん?」


「ええ僕の口から何か漏れたら大変ですから。姉の夫をご存知とは、ゾルジさんは隅に置けない人ですね」



「僕は、王家からは離脱していますが、彼らと血が繋がっていますから、王宮での仕事をさせてもらっているんです」


「クス家の人って事か」

「王家の事情にもお詳しいんですね。しかし私はクス家のものではありません。三代前の王の兄君が継承している王家、サンの一族です」


「複雑な話だね。ヤードさんの話しでは、彼らはクス家から離脱したもののように感じたけど」


「ヤード家はクスから離脱した王家の一族です。姉はそこへ嫁ぎました」


「そう…。イルバシットの王家は常に動かないから、凄く複雑に感じるよ。シスにも継承権が有るってことは、ひょっとしたら、君にも?」


「今はありませんよ。まぁ、発生しないとも限りません。サンの家にも、クスの家にも、未婚の姫君がいますからね。一度離脱しても、王族との結婚で、また王族となりますから」


そろそろ恐れをなしたかい?

194
最初 前へ 191192193194195196197 次へ 最後
ページへ 
TOP