イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
僅かな時間、俺は気絶したらしい。


意識が戻った時、最初に目に入ったのは、奇しくも、心配そうなシスの顔だった。



「準々決勝からは優勢勝ちが有る事、説明していなくて悪かったな。まさかここまで長引くとは、思わなかったんだ」



「いや」と言ったつもりだが、声は出なかった。

俺は、それほど、疲れ切っていた。


「さっき、女神の声が聞こえた…」



「あぁ。キキ様の声だよ。優勢勝ちは、介添えの他、王族にも決定権がある」


「そうか。リヤドは強いのか?リリアは大丈夫か…」


「お前の試合は終わった。王族席の奥に、席が用意される。介添えが案内してくれるが、とりあえず、少し休むか?」


「兵士席で少し休ませてくれ。汗が引くまで…」


「あぁ。君は今から、キキ様の国の客人だ。介添えが付く。観客席に移動するときは、彼に言え」

昨日から、下級兵士の介添えをしていた彼は、少し心配げな表情に見えた。


もう大丈夫。


そう言いたいが、頭がまだぼうっとしていた。


一息ついて冷静に考えると、シスの作戦に引っかかった自分が愚かなんだと分かる。



でも、これでリリアのそばに行ける。


負けは悔しいが、リリアを守ることは出きる。


心はずいぶん冷静でいられた。


「あなたは勇敢でした。シス様が相手だったのに、あなたを応援するものがたくさんいましたよ」

「俺にも声援があるなんて思わなかった。ラスカニアは素晴らしい国だね。でも、地図の書き込みの意味は今まで分からなかったな」


「書き込みですか?」


「競技会に出るときは、花嫁を先に見つけておくこと。ラスカニアの余白の所に、そう書いてあるんだ」


「疲れきるうえに、明後日から晩餐会があるんでしょ?そんな事してたら、月は簡単に生まれかわっちまう。競技会でがんばるか、花嫁を真剣に探すか、どっちかにしろって事らしい。俺は頑張ったら、花嫁が見つかるかなと思ったんだけど」



「全部書いてない所がいいですね。深い意味があること」


「そうだな。俺も弟子に本当の事は言わないと思う。面白くないもの」


介添えの兵士はまだ若く、競技会にも出ていない。


「君は競技会には出ないの?」


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