イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「戦…。」


「リリアは皆が欲しがる駒。だから安全だ。戦に発展しても、狙われる事はない。武力を頼みに大国となったラスカニアの中に溜まった膿みを、出すときが来たんだよ。それだけだ。キキ様が来られた事も、お前みたいなお節介が来た事も、運命なのかも知れないな」



「さぁ!来い!イルバシットの子供よ」



「一人で勝手な事言うな!リリアも、俺も、手を貸すって言ってるんだ!どれほど偉いかしらないけど、一人で何が出来るって言うんだ?君がイヤだと言っても、俺は諦めないからな!」



「ふっ!威勢が戻ったな!ゴタゴタ言ってると、さっさと勝ってしまうぞ!お前ならどうするのか、良く考えてみろ。女とは、考えが違う、増して王族はな」



確かにそうだ。


リリアは初めから感情的だった。



しかし、もし自分の大切な兄が、危機にさらされているとしたら、守りたいと思うのが普通じゃないのか?


「ゴタゴタ言ってるのはそっちじゃないか!一人じゃ勝てないって言ってるのに、負け惜しみだ、君が一人だって言っても、リリアも、友達の女剣士も、召使いのリヤドも、俺も、諦めないからな」



「小生意気な奴だな、覚悟しろ。アダンの当主を嘗めるなよ!こちらからだ」


シスは、なんだか不敵な笑顔を見せた。



油断は禁物。



シスの右手の怪我は、一昨日よりかなり良くなっている。


手合わせした時より、力は持ち直しているはず。


まともに打ち合ったら、絶対勝てない。


イルバシットの子供よ、君はまだ子供だ。


私が王族と連呼したせいで、君は、私の力を二割方上に見てくれた事だろう。



もちろん、我が槍を持ってすれば、君など敵ではないが、君は日頃慣れ親しんだ刺剣、私は、言わば、借り物の剣だ。


少しばかり、言葉の力を借りさせてもらった。


さぁ気負い込んで来てくれ。


私は、弟子と戦いたい。


君にはここで沈んでもらう。




力で負けるなら、先手を取って動き回る。


先手で勝ってやる。


本来受け身であるはずの刺剣の試合で、ゾルジはそう考えていた。


知らず知らず、シスの思惑通りに誘導されつつあったのだ。


実践経験の差が明らかに現れていた。

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