イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
アフィリエイトOK
発行者:桜乃花
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
ゾルジの心は、ただ真っ直ぐで力強い。


損も得もなく、リリアの為に突き進む。


父母の健在だった頃の私自身を見るようだった。

自分自身が真っ直ぐなら、策略などはねのけられると信じていた。



しかし、父母が亡くなり、カズを失うと、我が手にある力の小ささに、私は甘んじてしまった。


ゾルジの目の中を覗かなかったら、私は何も守れない弱い人間のままであったろう。



彼の目を見つめていると、力が湧いてくるのだ。


このまま挑んでも、きっと、サン家の策士には勝てないだろう。


リリアはサン家の妃としてとられ、私は葬られる。


そして、アダンを名乗るものはなくなるのだ。



そうなる事が負ける事なら、彼らに勝つことは何だろう?



彼らの悪事を暴き出し、罰することか?


それとも、彼らから王位継承権を剥奪する事か?


もし勝つという事がそう言うことなら、私には、勝利の女神は微笑まないだろう。



しかし、もしも、このラスカニアが息を吹き返し、以前の活力を取り戻す事を勝ちとするなら、私には、まだ勝機がある。




この少年のように、立ち向かう心を、もう一度思い出すのだ。



「子供よ!よき知らせだ。リリアは殺されはしない!暗殺者はリリアに夢中だからな。それからもう一つ。勇気をありがとう。礼を言うぞ。本気でかかって来い。心ゆくまで戦おう。客人に勝ちを譲りたいが、どうしても勝たなくてはいけない事情があってな、あしからず」


「シス、君は、暗殺者を知ってるのか?それに、俺は子供じゃない。小さな弟子だっているんだぞ」


「これは失礼。子供とは、清らかだと言うことだ。未熟と言う意味ではない。お前は清らかで力強い。そういいたかったのだ」


「リリアに夢中?まさか、お弟子さん?そんなわけないね」


「王位を継ぎたいと、思った時から、心の中に、小さな虫が生まれるのだそうだ。レブの心に虫はいない。お前の恋敵。戦いたいだろうが、私も弟子と手合わせしたいんだ」


「誰なんだ!言ってくれ!」


「君が聞いた声の主。それは、アダンと双璧をなす旧家サン家の当主と見て間違いなかろう。君の力でなんとかなる相手ではない。こじれたら、戦になるんだぞ」

188
最初 前へ 185186187188189190191 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ