イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
競技場の西側通路にシスの姿が見えると、場内に歓声が湧き上がる。


介添えの兵士が、革鎧に手をかけた。



「王家アダンの嫡子シス様。お前の準々決勝の相手だ。ここまで良く戦ったな。思う存分戦って来い」


俺は、クシュッタと言って、革鎧を受け取った。


シスは、幸いこちらに向かって歩いて来た。


それにしても、すごい人気。


はっきりとシス様と言う声援が聞こえる。


俺は、もう、戦いを楽しむ気持ちではなかった。


それを感づいたのか、剣を交換する時、シスは俺に言った。



「小僧、昨日の威勢はどうした?もう満足か?」


俺は、暗殺者の名前も知らないし、声に記憶が有るだけだ。


どう伝えるか?



「リリアが狙われている。昨日、暗殺者の声を聞いたんだ」



「そうか。他国から来た君に、そんな策略が漏れるなど、ラスカニアはやはり、腐り初めているのだな。もしも、我らの命で国が生き返るなら、差し出す覚悟はあるが、もはや無理。ならば、戦うしかなかろう?リリアの言葉は気にするな!君はあくまで、この国の客人。戦う義理など無い人間だ」




「何だよ!妹が狙われてるんだぞ!そして、リリアは、君を守ろうとしてる。俺は…」


「君にリリアはやらないと言ったはずだ。私に勝ったらべつだがな」


「…」


言うべきか、このまま戦うべきか?


迷った挙げ句、俺は、その声が、王族席から聞こえていると伝えた。



「そうか、気遣いありがとう。だが、それならば、ますます、君の力を借りるわけにいかないな」


「何でだよ!俺は、リリアを助けたいんだ。君と力を合わせて、助けになりたい」



「ならば勝ってみろ。話はそれから」


レブは、サン家の騎士だ。


アダン家の騎士にしなかったのは、こんな時が来ると言う予感があったからだ。


アダン家を狙う者から、レブを守りたかったから。


サン家は、アダンと双璧をなす旧家。


王位を欲したとしても、無理はない。


しかし、父母やカズの死に顔を見てしまった今は、白黒つけたい気持ちが強い。


国を守り、家を守るには、余計な感情だ。


行動を起こすつもりはなかったのに、私の心を変えたのは、目の前の単純で真っ直ぐな心だ。

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