イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
もう、明日の試合の事を考える事が出来なかった。


そればかりか、ゾラへの手紙さえ、筆が止まったままに残っている。



結局、明日はシスと戦うんだ。


そんなふうに、朧気に考えただけだった。


夜の間は、ずっと体が緊張したままだったと思う。

そして、明け方少しだけ浅く眠った。



だから、またマキさんに叩き起こされた。


「全く、よく寝る子だね!今日はシス様と戦うんだろ?しっかり食べてお行き!」


「昨日、お礼を言いそびれちゃったけど、応援してくれたんだってね。さっきザイルさんから聞いた」



「イルバシットの子は、人気があるって言ったろ?キキ様が、税金を、半分以下にしてくれたんだ。昨日は王妃様がいらしていたんだもの。みんな応援してたわよ」


「そうか、そんなに。愛されてるんだね!なんだか嬉しいよ」



「でもねぇ。なかなかお子様が生まれて来なくて。敵対する貴族のバカは、北の呪いだなんて言うんだよ。実入りが減ったからってさ」


「ふうん。税金が半分か。それでも、こんなにゆたかなんだね。たくさん国民がいるって、やっぱりすごい。イルバシットもいつかそうならないかなぁ」



「そうだねぇ~!でもさ、あの山の上なら、誰のものでも無いんだ。それに、麓には亜境界地域がまだある。大きくなるさ。キキ様の弟君が王様なんだろ?」


「亜境界地域か。あの平原が手に入ったら、本当にいいだろうな」



「ほら、これ乾いてるよ!汗かくからね、風邪をひくんじゃないよ」



俺は、少し筋肉痛の残る体を引きずって、競技場を目指した。


後ろから、ミナさんの声が聞こえた。


一つ終わったら、一辺帰って昼寝しな、最後は、肝の太い奴が勝つんだからね。


俺は、手を振って答えた。


一つ終わったらか。


勝つのか、負けるのか、もうすぐ決まる。


でもそれより、暗殺者が気になる。



どうか、リリアが来ませんように。



そう願ながら、俺は、控え室の扉を押した。



中には、レブしかいなかった。


八人いるはずなんだが。


「他の兵士は?」


俺はエジト語で聞いてみた。


「他は王族だよ!」


レブは、闘志か、敵意か分からない感情で俺を睨む。


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