イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
集中を忘れるな。

忘れなければ、負けたとしても、死にはしない。


消極的だけど、強くはなかった俺を成長させてくれた、先生の言葉だ。


集中か。


今日シスに会えるかな?

そしたら聞いてみよう。


何もしないのは、集中しているとは言えないからね。



さっきの言葉、よく覚えておこう。


「クナンカ ヤロ。タスクスタラク。ミーカシュハラシュ」


クは自分で、クナは相手を指す言葉だ。

クスタは姫だと思う。


マキさんがリリアを呼ぶ時、クスタリリアと言ったから。


カシュは明日。


繋がらないけど、だんだん分かって来てる。


俺は、言葉を唱えた。



周りの兵士が怪訝な顔をするのが、目の端に入った。



「おい?さっきから何をほざいてる?いくら王妃様の国の子供でも、捕まるぞ」



「さっき、風に乗って聞こえて来た言葉なんだ」



「何だと!ラスカニアの兵士が、そんな事言うわけはない」



「ごめんなさい!きっと聞き違いだよ。ところで、なんて言ってるの?」


「お前は、知らなくてよい。二度と言うな」



あんまりいい内容でないことは、なんとなく感じていた。


だけど、隊長格の兵士が慌てるほど重大な事なのか?


俺は、あの声を聞いた時みたいに、背中が寒くなるのを感じた。



集中しなきゃ。


こんな散漫な気持ちじゃ、怪我をする。


俺は、終わりにするつもりで、もう一度振り返った。


すると、視線が外れるのを感じた。


誰かが俺を見ていたらしい。


俺の席は、すぐ後ろが一般席だ。


兵士は介添えの人以外近くにはいない。


俺は旅人だし、知り合いといっても、宿の人達とヤードさん一家くらいだ。


誰かが俺を知っている事が不思議である。









………。






俺は、何度も窮地に陥りながらも、シスと戦うところまで勝ち上がった。





最後の試合では、殆ど負けのところから、粘って勝った。


相手の剣が触れたと思っのが、峰だったらしいのだ。


俺は目が覚め、勝ったと思った相手は意気消沈。

俺は、相手が諦めてくれる事に期待して、しつこく粘り、体力で勝ったのだった。

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