イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
第1章 イルバシット
応援してくれたんだ。
ありがとうと言いたい。
何だっけ?ええと?
「アンケシュタ」
名前は思い出せない。
でも、手をふると、飛び上がって喜んでくれた。
俺は、汗をかき、息が乱れてる、そうとう緊張してたんだな。
さっきの相手は弱かったけど、この次からはそうはいかない。
名前の上に肩書きがついてるから、油断は禁物だ。
競技場に、兵士達が入った。
今度は、大剣の試合らしい。
俺は、競技服のかえを貰い、汗を流した。
興奮を早く冷ましたかったからだ。
そして、すいている一番前の席に座った。
介添えの兵士がちかくにいるが、知り合いがでるのか、試合に目を向けて声を出している。
俺の先生も、大会の時には、応援してくれてたな。
急にそんな里心が湧いてくる。
予選の今日は、一日がかりになる。
回戦が進み、勝負に時間がかかるようになれば、明らかに、準々決勝から出場する兵士が有利だ。
俺は、素直に負けるわけにはいかない。
だから、次の戦いに備え、しばらく目を閉じて休んだ。
その時、後ろから低い声が聞こえた
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