イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
アフィリエイトOK
発行者:桜乃花
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
私の持つ物と言っても、王位継承権くらいのもの。


私がいなくなっても、レブの手に入るものではない。


それに、カザルス王がお子様を持てば、無いも同然だ。


恨みを捨てて、冷静に…


何が欲しいんだ?



人の命を奪ってまで、一体何が欲しいんだ。



恨みを捨てて、冷静に…



本気で戦って、そして聞いてしまおう。




シスは、もう下を向いてはいなかった。










馬車から降りたとたん、俺は、単なる小僧になった。




「お前はこっちだ。シス様の周りをうろうろするな」


ヤード氏の声だ。


「早く革鎧を着ろ」


「ありがとう。ヤードさんは、槍で出るの?」


「あぁ。投げ斧の試合は無いからな。まあ明日からだが。今日は予選だ」


「そうか…。予選ね…。その第一試合って…。負けるわけにいかないね」


「お前、幾つだ?まだ子供じゃないか。怪我だけはするなよ」



「分かった。でもね、俺にも、弟子がいるんだよ。九才から戦士なんだ。友達が戦士を選んだから、決心したんだけどさ」


「お前の山は大変だ。いろいろくせ者がいるからな。まぁ怪我をするな。旅先だってこと、忘れるんじゃないぞ」



「意外と優しいんだ。頑張ってみるよ。じゃあ後でね」




俺は革鎧を受け取り、人の流れに乗って、着替え用の控え室や、トイレの場所を確認した。



通路を抜けて、兵士の観戦用座席に着いた頃には、余計な感情はすっかり抜けていた。



鎧を付けていない兵士が四、五人で兵士達を誘導しているらしい。


ヤードさんもその一人だ。


故に、彼らはみな、予選になど出ない手練だということ、もちろん、シスも、今日は…


すでに玉座にかけている、カザルス王の左側、男子王族の席に探すことが出来た。


リリアもいるはずだ。


銀色の髪、白い肌の、小さなお姫様。


俺は、兵士席の一番前に乗り出して、キキ様!の右側を探した。


すぐに見つかった。


周りには、同じ年頃の姫が三人いて、おしゃべりに興じているようだ。


その後ろには、びっしりと、細い方の鎖鎧を着た近衛兵が立ち並んでいる。


175
最初 前へ 172173174175176177178 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ