イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット

「分かれ道があるんだったな?歩いて歩いて歩いて、歩き疲れたころ、三叉路に行き当たる。そうあるぞ、昼までには着くかな?」

「カルダゴへ向かう戦士は少ないからね。聞いた話だと、半日も歩けば、着くらしいよ。その但し書きだけじゃさっぱりだな」

二人は、駱駝の通る道を、ひたすら歩いた。

これから夏だから、イルバシットを商売相手にしているキャラバンは、これからイルバシット山を登るのだ。

もう、雪解け水もなく、気温も上がって来る。

今しか、イルバシット山に近づくチャンスはないのだ。

イルバシットは、自然に守られた小国。

戦士は、精鋭と言えたとしても、その数は、圧倒的に少ない。

だから、他国の助けが欠かせない。

わが国の宝は、イルバシット山にある金鉱脈。

それに、ニサイ湖が塩湖であること。

上質の塩が取れるのだ。

我らのため、神が、海の恵みを下さったのだ。

初代王、カラ・ザード・イルバシットは、そう民に告げ、塩の商益をすべての国民に分け与えた。

民は、自らキャラバンを組み、塩と金を売り、イルバシットの豊かさを知らしめていった。

治水に困る国には、技術を与え、資金の乏しい国には、寄付をする事で、絆を深めていった。


しかし、建国間もない頃は、幾度も他国の攻撃を受けた。


だがどの国の軍も、城壁にさえ到達出来ず、傷ついた兵士を抱え、退散していった。

手の加えられていない、溶岩の山は、登ろうとする兵士の体を、気づかぬうちに傷つけ、その体力を奪うのだ。

イルバシットは、彼らが山の中腹に達した頃、城壁の上から、石ころを投げればよい。

溶岩の山は崩れやすく、わずかな石ころは、やがて雪崩のように、兵士を襲った。

石ころは脅しである。

それでも、それ以上向かって来た国は、未だなかった。

自然の加護が薄い夏場は、隣国の助けを願うこととなる。

この夏は、シルザニア帝国の皇子や、エジプトの王子が、来訪する事になっている。

イルバシットにいる二人の王女との婚約が、王子達の目的だ。

王女達を目当てに来訪する者達が、結果的にイルバシットを守ってくれるのだ。

ラキリス王は、娘達をまだ外に出す気はないが、王子達の来るのを楽しみにしていた。

大王カラの、望みを叶えるためだ。
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