イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
アフィリエイトOK
発行者:桜乃花
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「イルバシットの子か?」


後ろから聞こえて来た声は、もう老人に近かった。


不思議なのは、マキさんより、エジト語がうまい事。


俺は嬉しくて、思い切り振り返った。



老人は、見たところ、普通のラスカニア人より少し褐色の肌をしている。


目鼻立ちがハッキリしていて、まるでイルバシットのおじいさんみたい。


「あなたは?」


「わしか?わしはお宿ルイカの料理人ザイムと言う。向かいの炭屋の隠居じゃ」



「あぁ、お向かいの…」

そうか、リリアはお向かいの炭を買いに来ていたんだ。



それで、俺の馬鹿な叫び声を聞いて、パンとミルクを。


またリリアの事を考えちゃった。


「お姫様はいかんぞ。お姫様に惚れたら、イルバシットを捨てる事になる」


「捨てるなんてばかな。そんな奴いませんよ」


「そうか。確かにバカな奴だな。はははは」


おじいさんは、野菜倉庫から出した芋を揺らしながら大笑いをすると、今日の夕飯は芋の肉入りスープだらな、最高にうまいぞと言い残し、宿のお勝手に消えた。




リリアの事、誰かに言ったつもりはないのに、みんなには筒抜けだった。


炭屋のザイルさんか。


ずっと商売してたら、エジト語もうまくなるんだろうか。



俺は夕飯を楽しみに思いながら、ラスカニアの街をゆっくり眺めた。


戦った事がない相手と試合をするなら、先手必勝。


しかし、自分の武器は、受け身で本当の力を発揮する刺剣だ。


相手は、余裕を武器に待ちの姿勢に出るだろう。


ゾラならどうするかな?


きっと、さっさと打ち込めってわめくだろう。


彼の言うことを聞く訳じゃないが、相手に余裕があったら、痺れをきらすのはこっちだからな。


覚悟して、思い切り打ち込んでみるさ。






作戦を考え、その事を手紙に書いた。


ゾラがこの手紙を受け取る頃には、作戦の結果も出ているだろう。




手紙を頼み、宿に戻ると、マキさんが待ち構えていた。


どうやら、明日発表される対戦相手が分かったらしい。



「えっ、どうして俺だけ?」


「いいからいいから。ミナちゃん隊長さんの親戚だから。頼んで聞いてもらったのよ」


165
最初 前へ 162163164165166167168 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ