イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
俺の気持ちが通じたのか、レブは闘志に満ちた目をして、帰って行った。


俺は、その場に座り込んだまま、リリアの事を考えた。


初めてみたときから、俺はリリアが気になって仕方なかった。


考えるほど、頭の中は、リリアで満たされた。


とりあえず、リリアの家がどこにあるのかを確かめるだけでも。


俺はそう思い、長く座っていた石の座席から立ち上がった。


その時、自分が、いかに注目されていたのかがよくわかった。


その場にいたほぼ全員が、ちらりと目を向けてきたのだ。



ヤードさんの知り合いなら要注意、そんな所だろう。


ヤードさんと試合出来たことも、初めて話した相手がお姫様だった事も、なんだか不思議な事。



俺はラスカニアとイルバシットの深い繋がりを感じる。




気持ちを決め、ミナさんの言った通りに歩いた。

そのうち、リリアの家が見えてくる。


良く手入れされた庭に、一度花を終わらせたらしい、薔薇の葉が茂っている。


雪薔薇に似ている、その葉っぱを見ただけで、俺の心臓は、高鳴った。




通りの真ん中に植えられた低木に隠れ、おれはしばらくそのお屋敷を眺めた。


体が熱いのは、剣を振るったせいではなく、明らかに、この宮殿に住むお姫様のせいだ。


きびすを返そうとしても、俺の目は、お屋敷の窓から離れなかった。


現れてくれないか。


僅かな期待は、吹く風があっさりと裏切っていく。


俺の妄想は、膨らむだけ膨らんでは、パチンとはじける。


自分の心が、こんなにへなへなとなるなんて、意外だ。


恋心を持った事だってあるのに。


考えるほど、リリアの存在は、ハッキリと主張し始めた。


そして、恋心がどんものかを俺に思い出させた。


結局俺は、踏み出す事も、帰る事も出来ない。








しかし、考えた。


明日、対戦相手が決まったら、勝って、勝って勝ち抜いて、晩餐会に出る。

俺には、そういう積極的な手段がまだ残っている。



俺は情けない今の自分を精一杯慰めてやるために、無理やり振り向いて、マキさんの宿に帰った。


昨日の風呂ではなく、今日は、旅人の為の水浴び場で汗を流した。


その方が、大人のやり方だと思ったからだ。




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