イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
獣が狩りをする音や、猛禽の羽音が聞こえて来る。

ネストは、その音を聞きながら、いつしか寝てしまった。


………



「今のうちカルダゴに向かいましょう。その情報に間違いはありません」


誰かの声が聞こえたような気がした。

ネストは、びくりとして、飛び起きた。

炭がまだ燃えていて、暖かい。

バルサンは、よほど緊張していたんだろう。

まだすやすやと眠っていた。

外はまだ薄暗い、ずいぶん眠ったように思ったが、数時間と言うところだろう。

ネストは、また湯を沸かして、お茶の葉をカップに入れた。

バルサンのカップは、まだ彼の手にあった。

そっと、外そうとした時、彼は、飛び起きた。

慌てるバルサンに、ネストは、今夜が明けたところだ、腹ごしらえする間はあるさと言った。

「よく寝た気がする。お前は起きてたのか?」

「いや…。なんだか見張られてるようなきがして、起きていようと思ったんだが、眠ってしまった」

「見張られてるって!どういうことだ?」

「間違いなく、誰かいると思ったんだが、獣だったのかな?今はもう、人の気配はなくなった」



「誰かいたっておかしくない。同じ方を目指す組がいたのさ」

「そうだな。腹ごしらえして、早く出発しよう」

気配は、完全に消えていた。

それに、きっと、トルキナスが、守ってくれていたんだ。

短い時間でも、熟睡したネストの心は、もう悩まなかった。

カルダゴはエジプトに渡る商人が、最後に水と食料を用意する国だ。

イリシャに帰るシーナ一家も、水や干し肉を買うのだろう。

エジプトに渡るならともかく、イリシャに帰る商人が、カルダゴにとどまるのは、せいぜい四、五日くらいのものか。

途中にある大河、ルーコ川の事を考えると、急ぎすぎると言うことはない。

駱駝の川渡しが見つかれば幸運だが、土地勘のない、イルバシットの少年達にとっては、ルーコ川は大敵なのだ。

しかし二人は、迷うことなく、カルダゴへの道を急いだ。

ルピンの町まで約七日。

期待と、不安の混じり合った、二人きりの運命の旅。



二人の持つ地図は、旅をした戦士達が、少しずつ書き足しながら作り上げた、物語のような物である。

もちろん、道路図だが、そこには文章がついている。
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