イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「まだ子供だけど、あと二年もしたら、リリア様を追い越す位、綺麗になるわよ」


ミナさんは、いたずらっぽく笑う。


俺は、ミナさんの真意が分からなくて、自分で分かる位、困った顔になった。


「みんな、お昼よ。今日は、イルバシットから来たお兄さんも一緒、だから仲良く食べるのよ。野菜のスープ。鶏肉の石焼き、山桃のジャム。麦のパン。果物もあるわ。さあ、おあがりなさい」


「はーい!」


女の子達は、思い思いに食べ始める。


いつものご馳走。


食べ慣れたお母さんの味。


俺は不意に母さんの顔を思い出した。


最後まで、一人旅を反対していた、母さんの心配顔。


もし、リリアを連れて帰れたら、いつもの笑顔を見せてくれるかな。



「ほら、ゾルジさんもおあがり。そんなに味は変わらないはず。ルーナからいろいろ聞いているから」



「ミナさんありがとう。なんだか、自分の家を思い出した」


「そう。じゃあ、お父さんの話を聞かせて?」


「うちの父さん?普通の父親だよ?トルキナスでもないし、お城の仕事もしてないよ」


「そんなこと関係ないわ!分かってるでしょ?」

「そうだよね。俺の親父は、無口なんだよ。母さんと知り合った頃は、よくしゃべったらしいけど。結婚して、城門の番人の仕事が決まったから、あんまりしゃべらなくなったんだって。友達はたくさんいるけど、その人達もみんな無口でさ。うちに遊びに来ても、しゃべってるのは、俺たち兄弟と母さんだけなんだ。こんな話面白いかな?」


「えぇ、とても。きっと明るいお家なんでしょうね。それに、お父さんも、きっと優しい人ね。お母さんが明るいのは、きっとお父さんが優しいからよ。お母さんはどこの国の方?」


「母さんは、シルーサのキャラバンにいた人だって。イルバシットとは、絹織物と塩を交換してる。塩は重いから、イルバシットからキャラバンが運ぶんだ。父さんは俺くらいの若い時、そのキャラバンの護衛をしてたんだ」


うふふとミナさんが笑った。


「何度も行き来が重なるうちに、あなたが産まれたのね?」



「?どうして?何で分かるの?」


「無口な男の人って、そう言うものだからよ」


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