イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
イルバシット山が噴火すれば、それが運命だ。


初代王、カラ・ザード・イルバシットはそう言った。


そして、連なる山脈にある塩湖でとれる良質の塩をすべての兵士と民衆に解放した。


山脈には、金鉱脈も見つかり、イルバシットの商業の礎となったのだった。


裾野に広がる亜境界地帯には、果実の森があるし、高地には、高地で育つ植物があった。



厳しい環境の国の暮らしは、外から見るよりも、大分豊かで、おおらかなものだ。



ただし、この過酷な旅を除いては。



自分の人生を共に過ごす伴侶を見つける為の、ひと月だけの冒険旅行。



しかし、旅は、人生で五回しか許されない。




ゾルジは、最初の旅の直前まで、ラスカニアに来るつもりはなかった。


一人旅を余儀なくされたとき、両親の許しを得やすい、この国を選んだにすぎない。


キキ様とアルカザ王子の婚礼の数年後には、様々な行事も行われるようになり、今では、一番近い隣国である。


気心のしれた隣人と言ったら、油断しすぎだろうか?


着いた当日から、競技会に誘われ、風呂をもらい、お金を融通してもらう。



こんなに礼を尽くしてくれる隣国に対して、やはり、道に外れたことは出来ないと思う。



俺は、マキさんと笑顔を交わして、明るい大通りに歩き出した。


まずは、金をラスカニアの通貨なんだっけ、ラストだったかな?


それに替えたら、門番を探す。


見つからなきゃ、橋の検問所まで行けばいい。


そして、リリアの家を探して訪ねる。


リリアの事を思うと、体が浮くようで落ち着かない。


腑抜けになって、運命の旅に出て、今ここにいる事すら忘れる。


俺はどうやら、競技会に誘われたせいで震えているわけじゃ無さそうだ。


ゆっくりと町を見渡す。


昨日の今日で、お姫様がお出ましのはずはないと思いながらも、目の端でリリアの姿を探しながら、俺は両替所に向かった。


やっぱり居なかった。


小さな金の塊を見せ、ラスカニアの小銭を指差すと、直ぐに分かってくれた。


「昨日、マキさんの所に泊まった子ね!シス様とお話したんですって?」

両替所の係の女性がいきなりそう問いかけた。
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