イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
リリアとは余り似ていない。


しかし、話し方や、尊大な態度はそっくりだな。


俺はまず観察し、そして始めの一太刀を打ち込む。

それが彼の望みだったらしく、彼は受け止め、俺の目を覗いた。


彼はびくともしないばかりか、構えたままの、片手だった。

俺は全力ではなかったが、用心深くならざるを得なかった。

「お前はいくつだ?いや、生まれてから何年経っている?この国の数え方とは違うのだったな?」


「俺は十五だ。他に数え方などないぞ」

「お前はそれ位のものか。リリアのイタズラはまともには受け取らないでくれ。いつもの事なのだ。父を失い、寂しいのだろう」


俺は、リリアの名を聞いた途端、心を乱された。

リリアの言葉を信じていたわけじゃない。

でも、あれはイタズラだ、許してくれと言われたら、平静ではいられない。


俺は、声を上げ、シスに打ち込んで行った。


間合いも何もない。

ただ闇雲に打ち込んだ。


剣の先にシスがいるわけもなく。


俺は、背後を取られた。


だが、シスは簡単に勝負を決めない。


「少年。もう稽古は終わりか?」


俺は、冷静さをますます奪われる。


ゾラ、お前がいてくれたら。


「隙があるのに、打ち込んで来ない馬鹿がいるだろ?いつでも勝てるつもりなんだろうが、私はそんな奴にだけは負けないようにしているんだ」

「ゾラは強いからな、俺は師範代と言っても、任されるのは剣を握ったばかりのひよっ子ばっかりだ。そんな事されたら、俺は頭に血が上るな」


「私だってそうだ。頭に血が上ったことはあるよ。でも、わざと隙を見せるような間抜けには、お仕置きが必要だろ?」

「お前にわざと隙を見せる奴がいるなんて、馬鹿者だな」


「そう言う奴は、必ず、手加減はいらないっていう。言葉でかっかさせようとするんだ。冷静さを持てば、恐れるに足りない。呼吸を忘れるなよ」


そうだった。


シスとは、三つか四つ違うだけ。


武術の技量が違うと言っても、たかが知れてる。


やられっぱなしで負けてたまるか。


俺は、槍を構えたゾラを想像した。


ゾラを相手にしても、善戦したことは一度や二度じゃない。

武器が違うから、勝てるはずもないが、実戦は、そんなもの。


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