イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「いい匂いですね。あの…。エジト語の分かる方は居ますか?」

俺は、何となく理解して、マキおばちゃんに声をかけた。


「何だい?坊主!今夕食が出きるよ。その先の食堂で待ってな」


「マキさん、このお金見て欲しいんだ。さっきリリアからもらった」


「リリア様とお言い!国王様の姪御様だよ!お兄様には継承権もあるんだ」


俺は、母親を探す子供のような気分で、マキおばちゃんに助けを求めた。


「全く、なんて顔だい!安心おし!リリア様はあんたなんか相手にしないよ!ましてや、シス様がお許しになるはずがない」


「さあ出来た!みんな大好きな肉のチリスープだよ!」


俺は、なんとか誤魔化そうとした。

心の中に住み着いたリリアを、追い出そうと、腹を満たす事に集中した。


しかしかえって、家の食卓や、ゾラとの稽古を思い出し、人恋しい気持ちが募った。


「マキさん、助けてくれてありがとう。五日分の宿代は金ではどれくらい?」


話しかけると、マキさんは、やっとにっこりした。


「人の国に来たら、まずは大人しく。あんたみたいに叫んだ子は初めてだよ!友達とは喧嘩でもしたのかい?」




「一人なんだ。彼の母君が病気だってわかって、残るように言った。でもなんだか寂しい」


俺は正直にそう言った。


「見た目より優しいんだね!きっとその子は感謝してる!でもリリア様はだめだよ!王族はそっとしとくんだ」


俺は情けなく頷いた。

その通りだ。

王族と関わって、良いことなんかない。

俺は、気持ちを静める為に、ルイカの町を少し歩く事にした。



「マキさん、宿代は明日の朝払うから、小さい金貨一枚分だね!」


「町は安全だけど、気をつけて、丸腰なんだろ?」


「大丈夫さ!こう見えても、ちゃんと弟子が居るんだよ」


「へぇ、驚いた。大した子だね!いっておいで、早くお帰り!」

俺は地図を片手に、宿の階段を下りた。

町の通りには、まだ人が多く、店も空いていた。


小間物やもあいているはず、手紙も頼みたい。


まだ始まったばかりの旅だ。


落ち込んだり、寂しがったりするには早すぎる。


少し小さく見える星を見上げて、俺は笑顔を思い出した。


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