イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「あんた、いつの間にリリア様と知り合ったんだい?」


おばちゃんに話しかけられ、俺はびくりとした。


女の人に力でかなわないなんて変だけど、マキおばちゃんには叶わなかった。


「それに、なんだいあの言葉。隣の国なのに、エジプトの言葉を使うなんて、おかしな国だねぇ」


おばちゃんは、俺にパンとミルクを持たせると、俺の荷物をつまみ上げ、部屋に案内してくれた。


部屋の中には、いろんな国の言葉で、料金や、備品の場所、設備の場所が書かれている。


???。


からかわれたんだ。

宿屋の女将さんが、エジト語を分からないはず無いじゃないか。

この辺りは、エジプトのキャラバンの通り道のはずだ。

だからこそ、変な奴に絡まれる前に助けてくれたんだ。


俺は、めったに味わえない自己嫌悪の中で、しばらく大人しくしていた。


しかし、自分の腹がなる音に促され、山羊のミルクを飲む事になった。


ミルクを流し込むと、パンも自然に欲しくなり、結局ガツガツと胃の中に収めることになった。


パンの包んであった紙が目に留まった。

手紙を書く紙を、買う暇はなかったし、この紙で代用する事にした。


ゾラに書くには情けない一日だったが、ルイカの町であったことを正直に書いた。


手紙を書き終えると、俺は少し落ちついた。

そして、寝台に寝転んで天井を見上げながら、リリアの事を考えた。


生意気で偉そうな娘だ。

貴族の家で働いているからって、何処が偉いって言うんだ。

俺は、もらったパンを食べたくせに、まだ腹を立てていた。




そういえば、いくら貸してくれたんだろう。


腰帯に挟んだ紙幣を広げてみた。


きっと、スプーンに一杯分のお金なんだろう。


小銭が三枚、紙幣が二枚。


数字は同じだ。


凄い数字だが、きっと単位が違うんだ。

そう思って、マキおばちゃんに見てもらう事に。


俺は、廊下に出て鍵をかけた。


たとえ貴重品が部屋に無くとも、施錠は先人達がみな口にする鉄則だ。


なにが起きてもおかしくない。


それが、戦士の旅なんだ。



廊下に出たところから、スープと肉を焼くいい匂いがした。

匂いの方へ行くと、マキおばちゃんは直ぐに見つかった。
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