イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
アフィリエイトOK
発行者:桜乃花
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
その隊長が誉めてくれるって…。

子供達は、顔を見合わせ、相棒の顔を探した。

相棒がいた奴、いなかったやつ、双方いたが、俺はネストの安心した顔を見つけて、なんだかもう満足だと思えた。

「さて、君達には、ロメ様から褒美が遣わされる。旅の間、考えて決めるが良い。もしも、金の石が足りぬ者は、一節の金を授ける。どちらでも選ぶが良い」

一節の金とは、どこの国でも、二、三年暮らせるくらいの価値だ。

俺は思わず、もらいたいと思ったが、ネストに止められた。

「バルサン。金の石は、僕が持ってる。君にはもっとほしい物があるだろ」

俺は、やっと、笑うことが出来た。

そして、今だという気がしたのだ。


「隊長様。どんな望みでも、叶えてもらえるんですか」

「ことと次第による。しかし、王の前で口に出来る事なら、聞いていただけるはずだ。何か望みがあるのか?」

俺は、チャンスだと思った。

「はい、御座います。我が妹の伴侶を、戦士として認めて頂きたいのです。彼は試練を克服したにも関わらず、妹の落ち度で、戦士の名前を持ちません。私は兄として、何とかしたいとずっと思っておりました」



「お前は、アビー・ビダの兄か?焦らずとも、やがて許されると、そう決まっているはずだが。それも、遠くはないはずだ。どちらにせよ、旅が終わってからのこと、良く考え、ロメ様の前で願うが良い」

「はい、ありがとうございます」

俺は、もう許された気になって、熱も下がってしまった。


若者達は、皆名前を聞かれ、運命の友と二人、出発の時を待った。

「戦士達よ!旅立ちの時、さぁ、行くがよい」

ゾラは、龍の喉の門を開け、松明を掲げて、俺達を照らしてくれた。

イルバシットは、火山の火口を、天然の城壁として使っている。

龍の喉は、溶岩流が麓まで流れた時、空気の出口となった洞窟である。

だから、内側からは、月明かりが見える。

中を通れるのは、旅立ちの戦士と、間者だけだ。

秘密の抜け道が、姿を表さないように、中では明かりも会話も禁止されている。

しかし、目が慣れてくると、そばを下る友の、服の色くらいは、分かるようになる。

麓までの約一時間、頼りは、月明かりと、光を受けて光る苔の塊だけだ。
14
最初 前へ 11121314151617 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ