イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
検問所にいる兵士は、エジト語を話した。

顔もイルバシットの民に近かった。


ひょっとしたら、彼は、花嫁の国で暮らす事を選んだ、イルバシットの戦士かも知れない。

それを聞くのははばかられたが、それとなく笑顔を向けてみると、彼は頑張れよと言った。


それはやっぱり、彼がイルバシットの戦士だったと言うことだろうか?


そんな事を考えながら、ゾルジはラスカニアに入った。

ここから先は、先人の残した地図と、助言が頼りだ。


ゾルジは、広がる麦の畑をしばらく眺めると、町のある方を目指して歩き始めた。

同じ麦も、青く高く見えた。


地平線を見るのも初めてである。

ゾルジの心は、それだけで高鳴った。


遠くで、農民が、雑草を刈っている。


農民は、ゾルジに気がついて、あっちだと手をかざした。


ゾルジは手を振って答え、町を目指した。

ゾラも連れて来てやりたかった。


ふとそう思った時から、ゾルジは、旅の日記を書く事を決めた。


紙は無いが、木炭のペンは持っていた。

町についたら、紙を買おう。

ゾルジは、一人きりの旅を楽しんでいた。



日が暮れる前に、市場の町、ルイカに着いた。





「さて、この町に宿はあるのかな…」


ゾルジがつぶやいても、市場の人には言葉は通じない。


ラスカニアの王族や、商人には通じるが、庶民にはエジト語は通じない。


俯いてはいないし、自然に笑顔になっていたが、一人は、本当に寂しい事なんだと分かる。


地図の余白には、食堂とか、宿屋とか、買い物に必要な言葉がかかれている。


先人達の旅のみやげである。


嬉しい旅も、悔しい旅もあったんだろうが、この地図にはいろいろな思い出がしみこんでいて、読み込むうちに、寂しさを忘れさせてくれた。


食料品売り場が過ぎる前に、一応、今晩の腹ごしらえをしておく事にした。


どおせなら、若い娘と話がしたい。


でもみんな、自分の母親くらいの人ばかりだ。


周りには、これでもかと言うくらい、男子か、おばさんしか居ないじゃないか。

俺は急に楽しくなって来て、エジト語で叫んだ。


周りのおばちゃん達は、一瞬びっくりしたが、俺が笑って地図を開いてるので、近くに来て覗き込んでくれた。

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