イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
キサは運命の友だ。

キーナ家の一員として返す返事は決まっている。

しかし、俺にとってキサは、ただの友達じゃなかった。


俺は、迷った。

言うべきではない。

だけど、俺はキサを信じてる。


「キサ、いろんな噂の真相を、俺は知ってる。俺はシス様の甥っ子だからな。ゾルジ・バナーが今何処にいるかも知ってるけど、それより、ゾラ・ザード様が、どうしてリリア様と結婚したのかを話そうと思う」

キサは、驚いた顔をした。

キサにしてみたら、単なる噂話だったのかもしれない。

ひょっとしたら、凄い真相を聞き出せるかもと思ったろう。


しかし実際は、こんな話、誰だってききたく無いはずだ。

誰かの秘密には、例えようもない重みが有るからだ。


秘密を知ることは、重荷を分かち合う事。


もう噂話を楽しむ事は出来なくなる。


「キサ、迷惑か?話し終わったら、俺は口止めしなくちゃならない」


「君は、知ってると思ってた。でも、さっきのは、単なる噂話さ」


「分かってる。だけど、俺たち、一生運命の友なんだぜ。俺の荷物を少し助けてもらってもいい気がするんだ」

俺が話を始めようとすると、キサは、諦めたように、いつもの笑顔を見せた。


背中には、黒く厚い雨雲が迫っていたが、少しうつむいた二人の目には映らなかった。










十 友からの手紙


「ゾラ、旅立ちの事、気にする必要はないぞ。君は、母上様を診てあげなくちゃならない。何より、俺は早く花嫁が欲しいんだ」


「ゾルジ、君に私の共をつけようか?許しはもらってあるんだ」

「いや心配いらない。こう見えても、俺は、師範代をつとめている。安心して、待っててくれ、結婚の祝いを期待して待ってるぞ」


軍隊を率いる大将クラスの賊がいない限り、ゾルジはぶじだろう。


しかし、それは、武器があっての事だ。

ただ一本、細く短いトルキだけのゾルジは、頼りない少年に見えた。


「旅立ちはしなくても、俺達はずっと運命の友だ」


ゾルジは、微笑んだ。


ゾラも、感じた不安を口にする事はなかった。


隣国との付き合いには問題はなく、城壁の外の平和は、保たれていたからだ。


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