イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
らしいと言うのは、その情報がすごく古いものだからだ。


しかし、今年は雨が極端に少なかったし、水深が深いはずはなかった。

しかも、山を流れる川とは違って、キニラ川は、滝となって平地に雪崩落ち、そこから低地を目指すのだから、流れは速くなりようがない。

滝の時の迫力は、平地を流れる時には無くなっているのである。


ラスカニアは、穀倉地帯を広く持つ、豊かな国だ。


その上、イルバシット山から発している金の鉱脈は、ラスカニアにも届いている。

国民も多く、軍隊も強い。


二人の戦士の記憶では、ラスカニアは、敵国に攻め込まれた事がなかった。


キニラ川に守られていることと、兵士の多さに、ラスカニアを攻めようと考える国は、今のところ出ていない。


「どんな国なんだろうな?キャラバンの話では、いいお得意様だとしか感じなかったけど。あの噂は本当なのかな?」


「トルキナスの息子が、ラスカニアの王女と結婚したって、あれか?」


「そんなことあるのかな。ただ、イルバシットに帰りたくなかっただけなんじゃないのかな。ラスカニアで死んだって噂もあるけど、それなら父上が黙ってないよな」



ジルザはすべて知っている。

リリアとシスの兄妹が入国するにあたり、支障が無いようにとの配慮がなされた。

彼らは、ラスカニア人ではなく、その先のロア帝国の皇族であると報告された。

亡くなった戦士の墓石には、彼のトルキに刻まれていた言葉しか書かれていない。

急に墓を建てるには、理由がいると考えての事だ。

彼の父、ゴルダ・バナーは、もう戻らぬ息子の記憶を埋めたのだと、周りに告げた。


友好国ラスカニアとの関係を守るために、ゴルダが考えた策だった。


しかし、すぐに噂の中に真実が混じるようになった。

事件の後に、ラスカニアに旅をした戦士が、真実を知って戻ったのだと言う噂もある。

噂はやがて、事実をも飲み込んでしまった。

そしていつか、ラスカニアに旅をする戦士は、消えてしまったのだ。

「なぁ、リリア様とシス様は、本当にロア帝国の皇族なのか?俺は思うんだ、彼らが、ラスカニア人なら、ゾルジ・バナーとの繋がりも理解できる。リリア様を墓地で見かける意味もね」

俺は迷った。

黙っているべきだと言う訳も良く分かっている。
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