イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
打算で、ミナを自分のものにしようとした俺は、情けないほど汚らしい。


俺は、ここまで来た意味を、胸の奥に感じていた。


「ラスカニアについて…。最近の情報は無いな。戦士には人気無しだ」


二十年前の事件の事は、イルバシットの国民には、公にされなかった。


亡くなった戦士の手紙が、複雑な事件の全貌を明らかにしていたからだ。


すでに罪人が処刑された事。

治療を受け、手紙を書いている事などが書かれていた。

彼の花嫁になるはずだった姫が、亡骸と共にイルバシットに帰った事もあり、その手紙の内容は信じられたのだ。


イルバシットに入った姫が、王族だった事もあり、事実は両国の今後の為伏せられる事になったのだ。

しかし、戦士の死の噂はすぐに広がり、ラスカニアに旅をする戦士は姿を消したのだ。


「お前はラスカニアに入る事が怖くないか?」

「親には止められた。でも、リリア様にも、シス様にも、叔父上と叔母上宛ての手紙を頼まれたよ」

「何だって、何で俺に言わないんだ!不思議な叔父上だな」

「だってお前、どこへ向かうのか、最後まで言わなかったんだろ?」




「しかしなぁ、シスには旅立ちの決まった日に会ったのに」

「君が黙ってるから、悪いと思ったんだろ。気にすることないさ」


何でかな、どうして叔父上は、黙ってたんだろう。

俺のこと、頼りないと思っているのかな?

くだらない考えが浮かんで来る。


しかし、ミナが頭の中にいるおかげで、卑屈な考えは直ぐに消えた。


「これは、関係無いのかな?もう…俺達の父親の代くらいの話しだし。国民性、いたずらっ子だって」


「お前のお祖母ちゃんは?ラスカニア人だろ?」

「お祖母ちゃんは特別だよ。だって、たまに、死んだ振りするんだよ!初めて死んだ振りと分かった時は、本当に頭に来た。怒るとぼけた振りするし。それが国民性なんて事あるのかよ」

「書いてある通りじゃないか。これは、用心して入らないとな」



俺達は、連なる森の端を東に向かった。

キニラ川は、一度削られた山に沿って北に向かい、そして再び、山肌に持ち上げられて、南を目指す。


キニラの西側はイルバシット、東はラスカニアだ。


流れは緩やかで、水深が浅ければ、歩いて渡れるらしい。


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