イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
たくさんの山々から春の雨を集めたルーコ川は、その水を砂漠の砂に吸い込まれて消滅するまで、大河と呼ぶにふさわしい水量を持っている。


渡るには、一日かけて東にある橋を目指すか、駱駝の川渡しが現れるのを信じて、浅瀬で待つか、難しい選択を迫られる。


「宿屋で、一日だけ待とう。川渡しがいなくても、馬で渡れそうじゃないか」


「判断は君に任せる。もしキャラバンがいなかったら、後を追いかければいい」

ネストのいる側の窓からは、町の様子がよく見えた。

キャラバンのテントはすでになく、町は静けさを取り戻しているようだ。


バルザンは、反対側の窓に目をやって、返事もしなかった。

すでに諦めているんだろうか。



バルザンの探す相手が、待っていてくれる事を、ネストは願った。


隣国の王子と縁を結んだ代わりに、失われる物があったとしても不思議ではないからだ。


しかし、親友とその恋人の絆を犠牲にするのは、納得が出来なかった。


必ず探してやる。

ネストは強く思った。

ルピンは山を降りきった所から少し東に行った所にある。


しかし、川は西から流れているから、浅瀬は西に多くある。

山を降りきると、馬車は止まった。


ネストの指示を待っているのだ。


ネストは橋を目指し、東のサルカの町へと指示を出した。


しかし、バルザンは、西のパルの町の方がいいと言う。


「ネスト、西に行ってくれ。馬車も返さなくちゃならない。パルで、馬車とは別れよう。温泉に浸かって、ルーコ川の渡しを待つ。一日だけだ。来なかったら、橋まで歩く」


「本当に、それでいいのか?…もうキャラバンのテントは畳まれてる。始めから、橋を目指した方がいい」


「いいんだ。お前の気持ちは分かるよ。でも、二人の旅だろ?納得して決めたいんだ」







訳の分からない数々の光景が、時折バルザンの心を乱した。

誰かの声がする。

あなたは幸運を手にした。

東に行けば、彼の女神は現れない。


もっとはっきりしてくれ。

バルザンは、空を見上げた。

彼ってネストの事だよな!

星は、バルザンの問いに答える事はない。


「西に行かないと、後悔する。別に、来年もある、一生だっていいんだ。だから、納得してくれ」


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