イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
アフィリエイトOK
発行者:桜乃花
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「心の汚れか?」


「うん。師匠に誉めてもらいたいとか、ライバルのハナをあかしたいとか、人間なら誰だって考えるだろ?でも、星はひたすら瞬く。単純にただ瞬いて、星読みを導いてくれるんだ」


「僕達が、その合わせ鏡に似てるって?」


「ああ。互いを映し出す鏡だ。お前の勇気を見れば、俺には勇気が湧いてくる」

「そうだな。僕が何とかするなんて、初めて口にした。そう言う事だろ?」

「ああ。きっとこの先ずっと、長い話しになるんだろうな」


深い絆の存在が、なんだか嬉しいなんて、言葉にするのは照れくさかった。

ネストはバルザンの目を覗き込み、これからも頼りにしてると言った。


それでも、バルザンはまだふらついている。

「そんなに苦しい事なのか?」


「うん。とても怖い。俺は、星読みになるかもしれない…」

「どう言うことだ?君は、星読みの力はないんだろう?」


「ああ。今はない。でも、マラガ石の力に触れると目覚める所まで、修行はしたんだ。その頃は、妹の才能を押しのけて、俺が跡を継ぐつもりだったからな」

「よくここまで来たな、お互い」


二人とも、龍の喉を通った時の事を思い出していた。


誰にも負けやしない、直ぐにでもイルバシットに帰って、英雄の仲間入りが出来るんだ。


そんな、甘い考えだった。


でも二人とも、今の状況を悪いとは思っていなかった。


長い旅を共にする、運命の友のことを、深く理解出来たからだ。

こんなに信頼しているなんて意外だった。


楽しい旅になればそれでいい、そんな軽い気持ちだったのに。

相手の心の動きも、自分の考えも、互いによく見えた。


僅かな旅の日々がそうしたのか、あるいは、以前からずっとそうだったのか、判断は出なかった。



すぐに、てんがいのある寝台があるのが見えた。


三人は、振り向く二人の視線を浴びながら、寝台に近づいた。

不思議と、もう、キキ様の声は聞こえない。


バルザンの心は、なぜか静まった。



「バルザン、お祖母様がおかしいんだ。診てあげて。体が冷たいんだよ。息はしてるみたいたけど…」


近づき、キキ様の顔を初めて見た。


しかし、キキ様の顔は、マーキス王の姉君とはとても思えないほど若々しく、美しい。


124
最初 前へ 121122123124125126127 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ