イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
アフィリエイトOK
発行者:桜乃花
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「お祖母様?どうしたの?苦しいの?」

声をかけても、返事をしないのは分かっていた。

でも、お祖母様の顔がとても苦しそうで、トルカザは放っておけなかった。


「キキがどうかしたか?トルカザ」


「お祖母様の顔に、しわが寄っているんです」


「キキも目覚めようとしているのか?キキよ、目を開けてごらん。息を思い切り吸い込んでごらん」

しかし、キキの額に手を当てたカザルスは、冷静ではいられなくなった。

いつもの体温が感じられないのだ。


「キキ、早く目を覚ますのだ。どうして、こんなに体が冷たい?私は何をすればいいんだ、教えてくれ」


「お祖父様、今イルバシットの戦士を呼んで来ます。一人は星読みと言う者らしいのです。アルカザンに入ってから、何度かお祖母様の声を聞いたと言っています」


「そうか。すぐに呼んでくれ。せめて、この冷たい体を元にもどして欲しい」









「バルザン、お祖母様の様子が変なんだ。出来る限りでいい。見てくれないか?」

扉が開くと同時にアルナスの声が聞こえた。

「分かった、何が出来るか分からないが、とにかく会ってみよう」


バルザンは、脈動の度に痛む頭をゆっくりと持ち上げ、歩き出す。

扉の前に立つと、逃げ出したくなるほど、深い恐怖に襲われた。


ネストは、ふらつくバルザンを支えながら、バルザンの恐怖を感じ取った。


「君なら出来る。君がだめなら、僕がなんとかする。だから、そんな顔しないでくれ」


本当は、僕が王子だったから、話が複雑になったんだよ。


ネストは言いたかった。

キキ様が病気に苦しんでいらっしゃるのだとしても、見習いの域を出ていないバルザンが、治せるとは思えなかった。

かえって、苦しい思いをさせた上に、旅はまだ一歩も進んでいなかった。




「悪いな、何も出来なくて」


「いいさ、お前がいなけりゃ、旅は出来ない。考えたんだ、無い頭を絞ってさ。俺達は、己の力を知るための鏡なんじゃないかな」


「鏡?」


「うん。星読みは、力を高めるために合わせ鏡を使うんだ。鏡の中に星と自分を一緒に写す。そうすると、自分の心がよく見えるんだ。ただひたすら瞬く星に比べて、自分の心がいかに欲にまみれているかが」
123
最初 前へ 120121122123124125126 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ