イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
星の声が…


バルザンは目を覚ました。


「星の声が…」


「バルザン!気がついたのか?」


向かい側の座席で話していたネストの声だ。


バルザンは迷った。

星の声。

すなわち、未来を読む力を持った事は、なぜか知られたくなかった。


「ネストか?どうして。試合はもう終わったのか?」


「トルカザを追いかけて来たんだよ。君もそうだろ?」


「あぁ。………ずっと…聞こえていた声の主がわかったんだ」


「キキ様は、イルバシットを訪れた時、触れてはいけない石に触ってしまったらしい。星読みが、子供に力を渡す時に、父と子で触れる石だ。普段は石と土で隠されているんだが、丁度その頃には、地震と大雨で、現れていたらしい」


「キキ様だって?」

「変な事言って悪いけれど、どこかでキキ様が俺を待ってるんだ。頭が痛い。いろいろな声が聞こえるんだ」


バルザンは、額に苦しげなシワを浮かべたまま、アルナスの方を見た。


「君にはそう言う力があると、今ネストから聞いていたところだ。その君に是非お願いしたい事がある」

アルナスもまた、真剣な顔でバルザンを見つめた。








話しているうち、二台の馬車は、アルカザ王の執務室の外側に止まった。



「起きられるかい?お父様は、今寝ているかも知れないが、気にしないでくれ。そう言う病気なんだ」


俺は、割れそうな頭の痛みに耐えながら、体を起こした。


「バルザン、しっかりしろ、僕の肩につかまれ。……君は、驚かないのか?キキ様が生きていらっしゃると聞いても…」

「声が聞こえてたんだ。この国に入ってからずっと。イルバシットの星読みと呼ばれてからは、声の主はキキ様だと信じてた」


「そうか、だからふさいでたのか。僕に出来る事は何でも言ってくれ」


「ありがとう。俺は早くルピンに行きたいよ」


「あぁ。任せておけ。必ず馬車をもらってやるから」


二人はそっぽを向いたまま、少し笑って、アルカザ王の執務室に再び足を踏み入れた。


王座に腰を下ろしたまま、アルカザ王は眠っていた。


優しげな微笑みを浮かべ、幸せそうな表情だ。


右手は、風にふかれた書付を押さえるような仕草のまま止まっている。

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