イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
妙に弱気なバルザンに、ネストは笑いを堪えた。

しかし、友達の不安げな顔を、ネストは、不思議には思わなかった。

去年の事を思うと、旅立ちを待つ少年達の顔は、みな不安と、期待に満ちていたからだ。


「旅立ちの前に、一つきいてもいい?」

「なにか、お前に言ってないことがあったかな?」

「バルザン、君の父君は、星読みなのに、どうして跡をつがなかったの?もし跡取りになれば、その時から、トルキナスなのに」


「妹の方が、星に愛されているからさ。アビーは、星の声が聞こえるんだ。俺は、どれだけ頑張っても、色しか見えなかった。だから俺は、大剣の道場に入門したんだ」


「そうか、でも、戦士として認められるには、戦士としての名前がいる。そうまでして、どうして、戦士を選んだの?」

「星読みには、旅が必要だ。でも、親父が事故に会うまでは、一人旅が原則だった。俺はまず、戦士になって、星読みの旅に付き添いが必要な事を証明したいんだ」

「そうか、アビーさんの旦那さんも、今は、まだ戦士として認められていないんだものな」

「あぁ。でもあれは、アビーが悪いんだ。時間がかかっても、シスは認められるさ」



「……彼を認めさせたいのか…」

「まぁそうかな。共は戦士がするべきだよ。早く戦士としての名前をもらって、シスを認めさせたい」

「分かった。協力する。早く迎えにいこう」

早く眠らなきゃ。

そんな話をしてから数時間、二人はまだそこにいた。

王宮の北、イルバシット山の中腹の神殿の前。

旅立ちの許しをもらった場所だった。

どうせ眠れないさ。

分かっていたけれど、家に帰るべきだった。

初夏のイルバシット山、夜中の気温は、十度ほどしかない。

二人とも、旅の前、風邪をひいた。

しかし、興奮して、そのことには気づかない。

翌日の月の刻、龍の喉に集った若者達のほとんどが、体調を崩している、毎年の事だ。


「みんな、体調が悪そうな顔してるな。みなには、旅を許しした日に、予備として、二日のうちに龍の喉を通れと言ってあるはずだ」

案内役のトルキナス、第一隊の隊長ゾラが話す。

若者達の中からは、安堵のため息がこぼれた。

「旅立ちの季節、この門はトルキナスが守っている。旅立ちの時も、帰還の時もだ」
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