イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
「君達にすれば血の繋がったおばあ様が亡くなったんだ。それは大変な悲しみだったろう。しかしマーキス王の悲しみが、軽いような口振りは許せない。マーキス様にとっても大切な姉君なんだぞ」


「違う。マーキス様が悲しんでいたのは知っている。僕達と一緒に泣いてくれたんだ。そういう事じゃないんだ。おばあ様の死の意味が違うんだ」


「死の意味」


「おばあ様は、このままでは、目覚めることなく眠り続ける。その上、ただ眠っているわけじゃなく、見た目には、息をしているようには見えないんだ。だから、他国には亡くなったと言うしかなかった」


「まさか…それじゃあキキ様は、今も生きていらっしゃるっていうのか?」


「あぁ、話は出来ないが、確かに生きている。弟が眠りにつく前の最後の言葉を聞いたんだ。要約すると、イルバシットの王子が来訪するとき、救世主が現れる。そういうことらしい」


「君は、それが僕達だと言うんだな。そうだと返事は出来ないが、是非ともキキ様に会いたいと思うよ。バルザンの体調は、そのせいかもしれない。彼は星読みの家の出身だ。父君の跡を継ぐため、星読みの修行をしていた事がある」

「本当に…。それなら、トルカザの話しと符合するな」


「なぜ…もっと早く言ってくれなかった?僕達も君達の言葉を信じたかどうか分からないけれど、こんな事しなくて済んだかも知れない」


「信じて欲しかったからさ。かれが食ってかかって来た時、なぜか、君達だと思ったんだ。トルカザも同じだったらしい。だから僕達は初めから必死だった。どうしても、おばあ様を助けて欲しかったんだ」


「僕達も同じ思いだ。でも、まだ他に、問題があるんだろう?」


「それは、アルカザンの問題だ。君達に迷惑はかけないよ」


バルザンには、いつしか二人の声は届かなくなっていた。


あの声が再び頭の中を痺れさせた。


バルザンは、星読みよ、と呼びかけられる度、だんだんと星の声が近づいて来るのを感じていた。


星の声を聞くのは、妹アビーの方が、数倍上手かった。


しかし、今は、聞こえている。


彼女の左手にマラガ石の力が移ってしまった。


君が触れれば、力は別れ、拡散する!

だけど、君には力が残る。


僕達の声は聞こえ続ける。
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