イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
リャウドは、しばらくは父親の目を見たまま動けなかった。

「父上…どこに…どうしていままで…」

リャウドは、問わずには居られなかった。


「ある人物が、私と大王を失脚せしめようと狙っていたんだ。私は、敵に悟られずに、その事を大王に伝えたかった。大王は理解し、私に手紙をくれたが、そのうち、お前が時間を止めたのだ」


「私のせいで…。戻れなかったと…」



「大王に呼ばれ、戻った。お前の事を心配なさっている。成長した王子達と力を合わせ、アルカザンを守れ。大王は、お前を初めから許していた。だから私は今まで戻らなかったのだ」



想像も出来ない事が、自分の知らないところでおきて、今終わろうとしていた。


リャウドは、深く傷ついたが、父親への愛が、傷の痛みをやわらげるのを感じた。


だから、父親の言葉に素直に従うことが出来たのだ。


「王子には、この国を守る為。そう答えよ。お前を心配した第二王子が、すぐそこまで来ているぞ」


「トルカザ様…。分かりました。父上のお言葉におすがりします」


窓の外を見ると、今しもトルカザが馬から降りようとしているところだった。


ほんのしばらくの間離れていただけなのに、トルカザは、ずいぶん力強い表情をしていた。


試合に勝ったというだけだろうか。


リャウドには、そうは見えなかった。


トルカザ本人が成長を遂げたのだ。


トルカザの目に涙の跡を見つけると、リャウドも奥歯をかみしめなくてはならなかった。


トルカザは馬を降りると、直ぐにリャウドを見つけたようだ。


まっすぐこちらに向かって来る。


その時には、リャウドの父サラドは、部屋から姿を消していた。



「リャウド、これは君がしたことなの?」

初めに口を開いたのはトルカザだった。

「トルカザ様、これが王家をお守りする道だったのです。私は、見えない敵を遠ざけるため、皆様の動きを止めたのです。敵を見つける事は出来ませんでした。しかしあの頃とは違い、お二人は成長なさった。今なら、敵を恐れる必要はない。私はそう判断したのです」


父の言った通りに、リャウドは説明した。



「大王には分かっているかも知れません。私は、ただ時間を稼いだだけですが」

トルカザには、リャウドの嘘が見えていた。

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