イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
リャウドは王子達を育て、政を教えながら、二人を欺き続けて来たのだ。

誰にも本当の事を話せない孤独な日々が続いた。


孤独に耐えるのも、王子達に隠しておけるのも、もう限界だった。


大王を恨んでも、何も解決しない。

その父親の言葉が、本当に正しかったのだ。


間違いを正すしか、残された道はなかった。




アルカザ王へ手紙を書いたのは、今に至っても、大王に対して抱く気持ちの中に、卑屈な感情があるからだ。








城は今眠りの時間である。


だれも起きている者はないはずだ。


しかし、視界の端で何かが動いた。


きつぬの子供が木を揺らしたんだろうか。

リャウドは、揺れた木の枝をじっと眺め続けたが、動物の気配はなかった。


自分のかけた暗示を、キーワードなしに破るものなどあるはずはない。

リャウドは、気にも止めなかった。


手紙を託すべく、アルカザの居室を目指した。


思い込みのなせる技か、門番がそこにいる事さえ、全く目に入らない。


城が目覚めた事に、リャウドはまだ気づいていなかった。




重い気持ちで、アルカザ王の居室に入る。

明るい部屋の中で、王は微笑みを浮かべたまま眠っている。

リャウドは、手紙をアルカザ王の前に置き、家臣のしるしの印を置いて、立ち去ろうとした。


王の顔も、兵舎で眠っている兵士の顔も、見ていると、決心が揺らぐ。


リャウドは無理やり王に背を向けて、立ち去ろうとした。

しばらく放浪の旅をし、そしていつか、命を持って償うつもりでいた。


しかし、振り向き、扉を目指すリャウドの目の前に、思いもよらない人物が立っていた。



そこにいるのは、最愛の父サラドであった。



「父上…」



「つらかったろうリャウド。お前に罪を犯させてしまった事を謝る。あの時、お前にすべてを話す時間がなかったのだ。大王に、すべてを理解してもらう為だった」


「敵がいたと言うことですか?」


「敵と一言では言えない敵がな…。ある意味お前はアルカザンを守ったんだ。だから、命を捨てようなどと考えてはいけない。命はアルカザンに捧げよ。王家を守り、アルカザンに尽くすのだ」

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