イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
自分の父親といるよりも長い時間を共にして来た故に、トルカザには、リャウドの考えている事が良く分かった。


軽い口を利くくせに、根は真っ直ぐで、子供みたいな所がある。

孤独に絶望して、変な事になりそうな、そんな気がしてならい。


どうしてこんなことになったのか。


それを聞くのがせんけつだった。


真実が、姿を見せてもなお、トルカザは、彼を信じていた。







父親は、大王を恨んではいけないと言った。


けれど何年経っても父は許されるどころか、忘れ去られて行くばかりだった。


こんなことをしたら、罰せられるのは分かっていた。


しかし、父が忘れられていくのは許せなかった。

とくに、大王には。


私の家が壊れたように、クス家も壊れればいい。


子供じみた嫉妬から始まったいたずらが、いつしか重大な罪を背負う事になってしまった。


もう許されない。


皆の術は、一つの呪文でとける。


サラド・ガナを許す。


大王の一言で術はとける。


しかし、罪のない彼らを苦しめ、国の政を滞らせた罪はもう私一人では償えない。


この命を持って償うしか、方法はない。



呪文の効力は十年。

放っておいても、後ひと月もせずにとけるだろう。


ただ一人キキ様を覗いては。


私は、他国から来た美しい姫君を眠らせる事が出来なかったのだ。

ひたすらにカザルス大王に尽くす姿に感動していたのだろう。

しかし、彼女は眠ってしまった。


王子達が声をかけても、キキ様は目覚めない。


リャウドは、これが罰だと思った。








大罪を犯し、十年が経った今年、イルバシットの若者たちがやって来た。


そして、彼らの純粋な心に触れて、リャウドは打ちのめされた。


自分のやり方が、どれほど間違っていたのかを思い知らされたのだ。


父が追放された時、不服があるのなら、命をかけても訴えれば良かったのだ。


自分でこの道を進んでしまった以上、自分で責任をとるしかない。


リャウドはそう決心して、試合の始まるのに合わせて闘技場を出てきた。


真実だけは残さなくては、リャウドはそう思い、アルカザ王への手紙を書いていた。

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