イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ
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発行者:桜乃花
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/03/07
最終更新日:2014/09/10 23:00

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イルバシット 戦士と花嫁 約束の大地へ 第1章 イルバシット
あの時のトルカザの困った顔は、俺の言葉に対してではなかったのだ。

きっと、闘技場から出て行くリャウドの姿を見つけたから。


リャウドがネストの伝言を伝える事なく、姿を消していたんだとしたら、アルナスが初め剣を持っていた事の説明もつく。

俺は、開かれていくなぞの扉を見せられて、負けの悔しさを味わう事も出来なかった。


俺は迷った。

トルカザを追いかけるべきか、親友の闘いを見届けるべきか。



しかし、迷ったのは一瞬で、俺は二人の試合が始まる前に、トルカザの後を追っていた。

当然、見張りの近衛兵が俺を止めに入ったが、俺にはまだ力が残っていたし、丸腰の俺を見て、相手が油断した事もあって、軽々と抜け出せてしまった。


闘技場の外にはアルナスの馬が繋がれていた。


その馬に乗ると、馬は火のように、城を目指した。


誰かが俺を呼んだのだ。


俺は、自分が間違っていないと信じられた。


城の手前の道にトルカザの馬が、見え隠れしている。


その後ろを、近衛兵が追いかけていた。

俺の後ろからも、何人かの兵がついてくる。


俺は、馬に身を任せ、風のように走った。



リャウドに何か秘密があるのだとしたら、二人にとっては、大きな打撃だろう。

彼らがリャウドに対して示したものは、信頼とか、親愛とか、とにかく、暖かい感情だったからだ。

俺はずっと、鍵を握るのは、キキ様だと信じ、対処して来たが、それはどうやら違うらしい。


王子達の抱える問題と、キキ様の問題は全く別のところから発している。







バルザンが突然闘技場から出ていった。


彼は近衛兵を打ち払う時、一瞬こっちを見た。


どんな事が起きたのか、ネストには分からなかったが、親友の身には、さしたる危険は感じなかった。


バルザンが出て行くのを見て、心を乱したのはアルナスだった。


その訳を想像出来るからだろう。


ネストは、アルナスの顔色を見ている審判を睨みつけ、早く始めてくれと詰め寄った。


「そう焦るな。弟がここを出たのが気になる。君の親友も居なくなったが、君は放っておくつもりかい?」


「試合は試合。武器を改め、構えた以上、他の事は関係ない。親友は、彼自身で対処するだろう」


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