敦子 第二話 ~夏休み、ふたりで~
敦子 第二話 ~夏休み、ふたりで~
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発行者:十光土佐
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:敦子シリーズ

公開開始日:2011/01/11
最終更新日:---

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敦子 第二話 ~夏休み、ふたりで~ 第1章 再会
 敦子が立ち止まった。
 僕と敦子の前には橋があった。その橋の手前、道路の脇に金網が張ってある。敦子は「立入禁止」と書いてある扉の前に立つと、網の目の間に指を突っ込んでちょい、と動かした。
 敦子が扉を押すと、それは簡単に開いてしまった。
「ここに入るの? でも……」
「こういう所に穴場があるのよ」
 びびっている僕の手をまたしっかりつかむと、敦子は扉をくぐった。僕も仕方なくついていく。
「あ、カギかけといてね」
 振り返って敦子が言う。僕が? どうやって開けたのかも分からないのに、どうやってカギをかけるんだよ?
 僕は振り返って扉の裏側を見た。そして、呆れ返った。
 敦子が素手で簡単に開けたのも当たり前だ。くるんと回して引っかけるだけの、ただの止め金なんだから。こんなの、知ってりゃ誰でも開けられるじゃないか!
 表にはしかつめらしく「立入禁止」なんて書いてあっても、裏側はこれか。世の中って、僕が考えているより簡単にできてるのかもな……。
 そんなことを考えてたら、足がずるっとすべった。
「ほらぁ、しっかりしてよ。男でしょ!」
 敦子の十八番が出た。道路脇から橋の下に降りていく急な坂で、そこだけ草がなくて土がむきだしになっている。気をつけないと足をすべらせて、そのまま下まで転げ落ちそうな道だ。
 そろりそろりと一番下まで降りると、さああ……という水音が僕と敦子を包み込んだ。
 そこは石がゴロゴロしている河原だった。橋のおかげで日陰になっていて、ひんやりして気持ちがいい。
 穴場って、ここなのかな……?
 いや、僕の予想は外れたみたいだ。敦子がまた歩き出したから。日陰から出たくなかったけど、こんなところに僕一人取り残されるのは嫌だ。
 石がごろごろしていてスニーカーでも歩きにくい河原を、敦子はサンダルでひょいひょいと器用に歩いていく。
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