敦子 第二話 ~夏休み、ふたりで~
敦子 第二話 ~夏休み、ふたりで~
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発行者:十光土佐
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:敦子シリーズ

公開開始日:2011/01/11
最終更新日:---

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敦子 第二話 ~夏休み、ふたりで~ 第1章 再会
「今日、ヒマなんでしょ?」
 そういう時は『今日、何か予定ある?』って聞くもんだろ、普通?……ヒマだけどさ。
「ちょっと出かけない? あたし、いい所知ってるから」
 そう言うと、僕の手をつかんで引っ張る。あわててスニーカーをつっかけた。人の都合にお構いなしで強引なところは相変わらずだ。
「和矢~、お客様なの~?」
「と、友達。ちょっと出かけてくるから!」
 なんとかそれだけ言ったところで、僕は玄関の外に引っ張り出されていた。




 敦子は、僕の手を引いてどんどん歩いていく。あの日と同じように。
「なんで……?」
 黙りこくったまま歩いているのも気まずくて、でも何を話したらいいのか分からなくて、そんな中途半端な言い方しかできなかった。
「なんでって、あんたがあんな手紙よこすから、こうやってはるばる会いに来てあげたんじゃない」
 急に顔が熱くなって、僕は下を向いた。
 敦子の引っ越し先は隣の県だ。「はるばる」というのは決して大げさじゃない。
「家の人は?」
「家の人? 家にいるよ」
「え? 敦子一人で来たの!?」
「友達のところに遊びに行くから、って言ってきたの。ウソは言ってないよ」
 くすっと笑う。
 家の人も、その「友達」の家がまさか隣の県だとは思いもしなかっただろうな……。
 敦子は僕の手をしっかり握って、ずんずん歩いていく。もうかなり歩いてるけど、一体どこに行く気なんだろう? この辺にはほとんど来たことがない。学校とも、敦子の(引っ越し前の)家とも反対方向。
 あれ? 水の音……?
 いつの間にか、道路の端のガードレールの外側は急なガケになっている。水の音はそのガケの下から聞こえてくる。
 川だ。ガケの下には木が生い茂っていてよく見えないけど、その向こうに川が流れてる。
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