敦子 第一話 ~大っきらいな敦子へ~
敦子 第一話 ~大っきらいな敦子へ~
成人向完結アフィリエイトOK
発行者:十光土佐
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:その他
シリーズ:敦子シリーズ

公開開始日:2011/01/09
最終更新日:---

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
敦子 第一話 ~大っきらいな敦子へ~ 第1章 気が進まないこと
 僕は敦子(あつこ)がきらいだ。大っきらいだ。
 もう三回もクラス替えがあったのに、なぜか僕と敦子はずっと同じクラスだ。一年生のときからずっと。
 この春のクラス替えじゃ、そろそろ違うクラスになれるんじゃないかと思ってたのに。これで今年と来年……つまり六年間、敦子と同じクラスが確定だ。
 去年の三学期なんか席が隣り合わせ。もちろん同じ班。最悪だった。班長は僕に押しつけたくせに、実際に仕切るのは敦子なんだ。給食の時間には僕のおかずを勝手に取るし、人がせっかくなんとかごまかそうとしてるのに、わざわざ「先生、和矢(かずや)くんが教科書忘れてます」って言いつけてくれるし。水泳の時なんか、水の中にひっぱりこまれてマジでおぼれそうになった。
 僕は跳び箱四段も跳べないけど、敦子は六段を余裕で跳ぶ。僕は泳げないけど、敦子は泳げる。僕は敦子には全然かなわない。勉強でも、運動でも。だから、僕のことなんかほっといてくれればいいのに。なんでちょっかい出してくるんだ。
 僕が一番いやなのは、なにかにつけて「男でしょ、しっかりしなさい!」って言いやがること。
 ガマンできなくなって、本気でケンカしたこともある。敦子がまったく遠慮なしで僕をべちべちとブッたたくから、僕もやりかえした。僕の方がいっぱいたたかれた。でも、結局僕が悪いことにされてしまった。女って、ずるい。
 敦子なんかきらいだ。いなくなっちゃえばいいのに。




 もうすぐ夏休み。夏休みになれば、当然敦子の顔も見なくてすむ。そんなことを考えながら教室の掃除を終わらせて帰ろうとすると、その敦子が僕の前に立ちはだかった。
「ちょっとあたしの家まで来てくれない? 大事な用があるのよ」
1
最初 前へ 1234567 次へ 最後
ページへ 
TOP