飼い主募集します!
第11章 禿沢来襲、合宿終了
「どうしてこの男がここにいるのです?」
心底嫌そうな顔で思わずげっと唸るひとみ。
「執着心だけはこの世のどいつよりも強い男だからな、
恐らくは幼女の匂いでも嗅いで追跡してきたんじゃないのか?」
「そんな犬じゃあるまいし…」
「例え話だ、本気にするな、しかしこいつが犬だったなら絶対に拾わんだろうな」
その姉貴の言葉に全員が一斉に頷いた。
とりあえずこの大雨の中放置する訳にもいかないので
(姉貴とひとみは本当に放置しそうな勢いだったが)別荘の方に運ぶことになった。
白いタンカが黒服の大男たちによって運ばれてきて気絶した禿沢を乗せ、別荘へと連れて行く。
「なんか拍子抜けしたな、折角この大雨の中
はるばるやって来たというのに、オチがあのはげピザでは笑いにもならん」
「全くなのです、どうせなら泪乃ちゃんを狙ったアメリカの
裏組織とか旧ソ連のカーゲーペーとか期待していたのに…」
お前らは本当に禿沢が嫌いなんだな、まぁ、俺も好きではないが。
別荘に戻って3時間ほどすると禿沢の意識がようやく戻り、
ひとみを見るや否や恐ろしい勢いでべらべらと文句を言い出した。
「さ、先ほどの爆発はなんだ!?冠凪ひとみ!貴様の仕業か!?
日本の土地に地雷を埋めるんじゃない!!
どれだけ常識知らずなのだ、これだから貴様ら腐ったミカンどもは…」
「おい、はげピザ」
「何だ、滝内シモーナ!?
言っておくが貴様も同罪だぞ!これは立派な傷害罪だからな、覚悟しておけ!」
「黙れ、素直に私の問いに答えろ、貴様、何故ここにいる?」
姉貴の言葉にうっと言って禿沢は黙ってしまった。
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