飼い主募集します!
第1章 捨て犬拾いました
「他に誰もいないな?」
「ああ」
「よし、入れ」
ガチャっとドアを開けると何故か体操着の姿の姉貴と姉貴の制服を着た例の女の子がいた。
「わん!」
女の子の髪は綺麗に整えられていて長かった髪の毛はツイストに纏められていた。
「吼えるなっ!」
女の子が吼えたと同時に姉貴の叱咤が飛んだ。
女の子はきゅ~んと言って丸くなって寝転んだ。
「…もう飼いならしたのか、名前は聞き出せたか?」
「いや…少々面倒なことになった」
「?」
不思議そうな顔をする俺に姉貴が神妙な面持ちで言う。
「いいか、驚愕するなよ?」
そう言うと姉貴は一気に女の子のスカートをずり下げる。
「ばっ…何してんだ!?」
「よく見ろ、バカ」
「あん…?」
恐る恐る目を開けて目に飛び込んできたのは女の子のお尻
…そして、そこに直接生えてるらしき尻尾…
「ほー、今のコスプレグッズは直接肌につけるのか」
「それなら良かったんだがな…」
そう言って姉貴は尻尾をおもむろに掴んで引っ張る。
「きゃんっ!?」
尻尾と同時に女の子のお尻も持ち上がった。
…?
どういうことだ…?
「生えてるんだよ、尻尾が、ちなみに犬耳も本物だった」
「なんだそりゃ!?どんな生物だよっ!!」
「うむ、思わぬところで未知の生命体と遭遇してしまったわけだ」
クエスチョンマークがびっしりな俺に向かって姉貴が言う。
「ライトノベルなどで良くあるだろう?
擬人化された猫とか、あれの犬ヴァージョンだな、これは」
「はぁ?現実にそんなものいるわけ…」
姉貴はペシペシと女の子の茶色い頭を叩く。
「いるんだ、ここに、現実に」
「わふっ」
「…頭痛くなってきた」
「くぅ~ん…?」
女の子が愛玩犬のような眼差しでこっちを見てくる。
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