飼い主募集します!
第1章 捨て犬拾いました
おい…まさか………
「やめろ!こらっ!!」
俺は必死に女の子の顔を引き剥がす。
「お前は変態に好かれる特殊能力でも保有しているのか?」
姉貴が溜め息まじりにそう呟いた。
知るか、そんなもん。
俺はなんとか女の子を払いのけるとその場を立ち上がる。
「俺は先行くぞ、姉貴が責任持って部室に連れて行けよ!」
そう言い残して俺はその場から逃げ出した。
マトモな神経で付き合っていられるか。
昼休み
姉貴は結局教室に来ていない。
普段、授業自体はまともに出ているから何か問題でも起きたのだろうか?
流石に心配になってきた。
うーん、一応部室覗いてみるか。
ちなみに俺たちは文芸部に所属している。
姉貴は部長だ。
文芸部は三階の渡り廊下を歩いて一階の部室棟の
一番奥という非常に面倒くさいというか嫌がらせとしか思えない場所にある。
そもそもこの高校の校舎は作りが複雑すぎる。
俺は歩いて部室棟まで行くと部室の扉を軽くノックした。
「誰だ?」
姉貴の声が聞こえてきた。
やっぱりここにいたか。
「俺だ」
手短に用件だけ言う。
口で争っても勝てないからな。
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