飼い主募集します!
第1章 捨て犬拾いました
「いやいや、私はお前を責めたりしないぞ、
何せ赤の他人だ、”血が繋がってない”んだからな」
………くそっ、そこを強調してくるか。
「…わかったよ、どうすればいいんだ?」
俺が諦めたかのようにそう呟くと姉貴は満足気な笑みを浮かべて
「そうだな、とりあえず部室にでも保護しておくか、
放課後に警察に届ければ問題なかろう」と言った。
部室にねぇ…
「姉貴、章太郎と田辺は風邪で今休みだからいいが、大問題児が一人いるぞ」
「ふむ…あの変態か、まぁ何とかなるだろう」
そう言うと姉貴は女の子に手を出した。
女の子は首を傾げて不思議そうに姉貴の手を見る。
「何だ、犬のくせにお手も出来んのか」
「…まず突っ込む所が違うだろ」
「冗談だ」
姉貴はくくっと笑いを浮かべると
「ほら、来い、お前の名前は何だ?」
と聞きながら無理やり女の子の手を引っ張ると強引に立たせた。
「…くぅ~ん」
「あくまで犬語を話すか、中々強情だな」
「はっはっ…わんっ!」
女の子はそう吼えるとダッシュで俺に抱きついてきた。
「うぉっ!?」
思わず俺は女の子に押し倒されるように転倒してしまう。
俺に覆いかぶさるように女の子は俺の腹の上に乗っかると
尻尾のアクセサリーをブンブンと振りながら舌を出す。
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