飼い主募集します!
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発行者:鉢嶺来
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ジャンル:お笑い・ギャグ

公開開始日:2010/12/17
最終更新日:---

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飼い主募集します! 第1章 捨て犬拾いました
「どうしたんだよ?」
「おぃ、痛い人間がいるぞ」
「はぁ?」

姉貴が傘を持つ手を差し替え指をさす。
そこには布着れを纏ったやたら綺麗な女の子が座っていた。

「おいバカ、ちょっと話しかけてみろよ」
「…嫌だよ、これ以上変なのに関わりたくない」
「私の命令が聞けないのか?早くしろ、バカ」

姉貴がどげしという盛大な効果音付きで俺の背中を蹴って押した。
俺はもつれながら女の子に近づく。
こんなところでコスプレだろうか…?
猫耳…じゃないな、犬耳だ。
茶色い癖っ毛に犬耳をつけて長い髪は乱雑にしてたのだろうか、
あちこちが痛んでるのかぴょんぴょんと寝癖のようなカール状の癖が飛び出していた。

更に良く見ると尻から尻尾のアクセサリーまで付けていて
オマケに服はボロッちい布切れ一枚だ。

しかも傘もささずに雨の中、ただじっと座っている。
俺は少しばかり溜め息をつくと意を決して女の子に話しかけた。
…仕方ないだろ?姉貴の命令だからな。

「なぁ、あんた、何やってんの?」

女の子は俺を上目遣いで見上げた。
尻尾のアクセサリーがパタパタと振られた。
最近のコスプレグッズは芸が細かいな…。

「わん!」と勢い良く女の子が吼えた。

「………」
俺は小さく首を横に振る。
駄目だ、完全に痛い子だ。
俺は姉貴の方に振り返るとその場を後にしようとした。

「なんだ、もう降参か」
「いや、絶対普通じゃないぞ、あいつ…」
「犬のコスプレをしてるときは犬語しか
話さないポリシーなのだろう、中々見上げた根性じゃないか」

「そういう根性は、別の分野で発揮してもらいたいね」
「そうか、それじゃあ翔太はあの見るからに痛い子を見捨てて行くのだな」
「そりゃ赤の他人だし、あの子も何か目的があってやってるのかも知れないしな」

そう言うと姉貴はワザとらしくニヤついて、
「そうか、あの格好だ、この後あの痛い子は群がる男どもに
手酷いボロ雑巾のように陵辱されて泣いて懇願しても助けてもらえず、
一生、お前のことを恨んで生きていくのだろう」

何てこと言いやがる、この女は。
じゃあ何か、俺がここでこの痛いコスプレ少女と
何らかのフラグを立てないと駄目ということか?
冗談じゃない、そう言おうとした時だ。
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