飼い主募集します!
第2章 文学腐女子「冠凪ひとみ」
キーンコーンカーンコーン。
放課後を知らせる学校のチャイムなどどこも同じようなもので
うちの高校も例外なく普通のチャイムが鳴り響き生徒たちに
午後の安らぎを伝える福音がごとく鳴り響いた。
だが、今の俺には物凄い不幸な音に聞こえる。
例えるならそうだな、
嘘をつきすぎたと自覚してるやつがこれから閻魔大王に直に会うようなそんな心境だ。
…すまん、わかりにくかった。
とにかく不安だったんだ。
もうじきやってくるであろう、
文芸部随一の大問題児と泪乃との鉢合わせについて本気で頭を悩ませているからな。
ダッダッダッダッダッダ!
部室内からでも聞こえる威勢のいいこの足音。
間違いない、「あいつ」だ。
ダーン!!
勢いよく、部室の扉が開いた。
「やー、遅れましたぁ!せ・ん・ぱ・い!!」
びくっとその声に反応して泪乃は声の主を見る。
声の主も何者?という顔で泪乃を見た。
そして、その黒髪ショートヘアーの美少女
…冠凪ひとみの第一声は次の通りだ。
「も…萌えーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
予想通りの反応だ…
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